今年最初のSR600京都

5月30日、今年最初のSR600を走ってきました。
SR600京都、去年までにすでに5回完走しているルートで、京都駅発着と言うのも好都合。
自宅から1時間半かからず自走でスタート地点へ行けるし、フィニッシュ後はそのまま事務所へ行って仮眠し、そのまま仕事を開始できるので2日間の休みで走ることが出来る。
エンゼルラインが19時から7時まで通行止めなので、これを逆手に取って、朝8時ごろにスタートしてエンゼルラインの通行止め時間を利用して手前で仮眠すればいい。トータルタイムは40時間前後で固定されるけど、このルートはグラベルも走るしあまりタイムアタックをするには向いていない気がする。そしてエンゼルラインのポイントがスタート時間を中途半端にしてしまう。もし仮にタイムを狙うなら0時スタートとかでいきなり睡眠的にアドバンテージがない、よろしくない状態になってくる。

 

今回はいつもの朝8時スタートを7時半に変更。単純に30分だけゆっくり走りたい、そしていつも仮眠している高浜の道の駅には同じ時間に辿り着いて同じ時間に出発する。要するに少し楽しようという考えだ。
バイクはギザロGE-110。SR600を走るのは初めてだ。
しかし現行モデルに確定するまで、テストバイクではこのSR600京都も走っている。そういう意味では、プロトタイプと現行モデルの違いなんかも感じられると面白いなぁ、という気持ちもあった。

家を出てから雨。今日は午前中は雨予報。北上するにつれ天気は回復なのでもう少し早めに雨は上がるだろう。
気温も低くないしちょうどいいのかもしれない。

経った30分のスタート時間の違いだが、意外と京都市内の走りやすさは違う。
大学生たちが動きだしたり、観光客、そしてこどもを送り出した主婦たちも動き始めるので、実はちょっと走りずらい。それが7時半だと若干だがストレスが少ない気がする。
最初のウォーミングアップがてらの京見峠。高校の頃から散々登っているが、近年は細く険しい区間はバイパスのようになり、車だと快適になったのかな。しかし自転車だと注意してクルマはスピードを落としてくれていたのがけっこうスピードが速いので、後方からのエンジン音には少し身構えてしまう。
バイパス区間から後半の従来の峠道に入る頃には、あまり調子が良くないことを悟る。残り600kmほどで調子が良くないなぁ、「残り」600kmを惰性で消化試合的にこなすのは少し気持ちが重い。
週末には美山で行われたロードレースに出場。この時もいまいちな感触だったが、さらに脚が重い。まぁレースではないし、重いとき、遅いときにはそれなりの走り、そしてそれなりの景色を感じればいい。

最初のPCでも約10分ほど遅い。京見峠の下りがウェットでペースを落とし気味だったことを考えると約5分遅れぐらいな感じだろうか。あとは上げずにこのまま淡々と進んでいこう。
ほぼ毎回決まったパターンの休憩ポイントで進んでいく。天気があまりよくないからか北風。すなわち城崎温泉まではひたすら向かい風。その後はちょっと追い風に感じるかもしれない。
林道ごうろ線のダウンヒル、GE-110で走るのは性能を感じられるし非常に楽しみ。
ブレーキングポイント、スピードを落としていってのタイトなコーナーやスピードの乗ってくるコーナーなど、タイヤの性能やブレーキの性能そしてフレームの剛性やホイールなど含めての追従性・・・普段より指先の感覚や目から頭に繋がる線のようなものを強く感じる。この感覚が強くなってくるダウンヒルは好きだ。この目から頭に電気信号を送っているような感覚が、入ってくる情報よりも遅く感じると危険。そういう時は情報を感じないから対向車や道路わきのケモノ、道路の石や亀裂などの障害を感じるのが遅くなる。
現役の頃は、朝練で峠の下りでクワガタムシのメスを発見して捕獲したとか、練習やレース中にカブトムシやクワガタムシを発見して、捕獲してそのままフィニッシュしたこともある・・・動体視力も多分他の人よりはそれなりに優れているとは思うが。

城崎温泉でもタイムは遅いが、30分早くスタートしたので明るさ的に問題ない。京都府に走り海岸線へ。ここで見る夕陽は最高だが、日が長いこともあり夕陽はまだまだだ。
丹後縦貫林道。毎回遅くともここで日が暮れる。今回も碇高原を過ぎたところでライト使用開始。
この丹後縦貫林道、今までシカをみなかったことがない。少なくとも10頭は遭遇する。
遭遇というか、だいたい目の前にいて逃げていったとか、横切っていったというパターン。コーナーを抜けたらシカがいてお互いビックリという最悪パターンも1回はあるな、って感じ。
あと巨大イノシシが目の前にいて逃げていった、などなど。注意深く走らないとここは簡単に取り返しのつかないことになる。
丹後縦貫林道を抜けて天橋立へ。地味にグラベルで脚に来る。
晩御飯?夜食?は今回は舞鶴でラーメン屋だ、と勇んでいたのだが、お腹空いた、そして時間的にも限界ということで、いつもの?宮津マクドナルドへ。ここで30分ほど滞在。
食後のソフトクリームも食べながら情報収集。

宮津から舞鶴へ抜ける府道45号、和泉式部の墓あたりもシカだらけで、そのあと板戸峠も割とシカと遭遇率が高い。ちなみにこの板戸峠、たいしたことはないが、このルート上でけっこう嫌いな峠の一つだ。小さい割に楽に感じない。

トータル的には30分早く出発した分以外は余り遅れてないかもしれない。調子悪いのであまり止まらずゆっくり走っていることで、グロスで見るとそれほど遅くないようだ。
福井県に入りいつもの高浜の道の駅へ。0時半過ぎには就寝し朝3時半ごろ起床し4時には走行開始。最近この道の駅で寝るのがなぜか楽しみの一つ。1900km本州縦断のように荷物をある程度持参してホテルからホテルへと繋いでいくブルべも楽しいが、パックライトないでたちで「ここで仮眠か!」みたいなポイントで先へと進むスタイルも嫌いではない。
外に出ると少し冷えているか?と思ったがそれほどではない。今回レッグウォーマーは持ってきていないので朝が冷えると太陽が上がるまでは辛いところだった。
エンゼルラインは登り始めて半分ぐらいで霧の中。普段は絶景を楽しめるが今回は頂上での景色は何もなかった。
若狭基幹林道はパンクしないように走ることが大事。昨年は比較的いいペースで走れていたが、グラベルもあと1㎞ほどでパンク。スピードダウンもだがテンションが下がる。なのでパンクはしないように落ち着いて路面を確認しつつ無茶はしない。
それでもいたるところに尖った石が落ちていて、自分の能力でのパンク回避と運は半分ずつぐらいだな、なんて思いながら下る。

SR600京都の最高標高はおにゅう峠で1000mもない。しかしそれこそがSR600京都の難しいところ。標高が低くて獲得票を稼ぐということは、勾配はきつめでさっさと登ってさっさと下ってくる、というリズムになりがち。ということは下りも険しく、あまり険しすぎると下りで楽にスピードが上がらないからタイムはそんなに伸びない。
今まで走ったコースで言うと、奥入瀬や福島、出雲や比較的走りやすいが、京都は速く走るということには向かない。
おにゅう峠ではそんなに速く走れずというかゆっくりめのリズム。それでも日を跨がずに帰れるかなぁってペースが少しだけ遅れてきていた。
花脊峠でいったんペースを上げて帳尻を合わせようと久しぶりにアウターで登り始めたが、中腹を過ぎたところで違和感。チェーンにトラブル発生。最初は特に問題なかったのだが。
ここまできて初めてSR600京都DNFかぁ、と思ったが、何とかなるはず。峠を越えて百井別れに行かず、そのまま下って京都市内のショップに向かえば何とかなる。
そう思ってゆっくりと漕いでいるうちに、コースから大きくそれるより、いっそ滋賀県に入ってしまってから対応したほうがいい、チェーンは切れかけているが急勾配の登りを押してしまえばトラブルは回避できそう。ということで百井と途中越えを押し歩き、そこからは下りなのでほとんど漕ぐことなく守山市ジャイアントストアへ。
守山市の自転車特命大使という肩書きで守山市に携わっているが、ここの佐藤店長ともお知り合いになり、水曜日は確かお店開いていたなぁということで立ち寄った。
チェーンを新品にしてもらい、なんとか走行継続可能に。ホント助かった。しかし大きくロス。なんとなく春や秋に走った時の太陽の位置に近い景色だ。
金勝の山では日は沈み(いつもだとまだ明るい)信楽へと向かう県道も真っ暗で仕事帰りの車が容赦なくハイビームですれ違う。

信楽のコンビニで食事。金勝の前で食べて次は和束ローソンかなと思っていたが、和束ローソンの閉店時間には到底間に合いそうにない。ちょっと走るリズムがずれ始めている。まぁ今回はタイムアタックをしているわけでもないのでいいのだが。
疲れているからか御斎峠や三国林道は相当遅い。このままいくとフィニッシュは2時過ぎか。あまりフィニッシュタイムを考えると眠たくなってくるので集中集中。走ることだけ考える。
和束ローソンはとっくに閉店し、自動販売機で缶コーヒーを買って犬打峠そして鷲峰山金胎寺を目指す。
きついのだけどきつすぎてそもそもスピードが出ないからかタイム的にはあまりロスしていない。ラスボスの金胎寺を制覇しあとは下るだけ。しかし本当のラスボスはここの下り。ここはこのルートの中で一番激しい。若狭基幹林道よりも激しい。
落ち着いてトラブルのないように下る。ここも過去にパンクして大きくロスしたことがある。

京都駅には3時ごろ到着と希望より大きく遅れたが、まぁ良しとしよう。
43時間35分。
最悪はDNFの状況だったし、美山ロードのあとまだ筋肉の疲労も抜けてなくてきついところで踏ん張ることもできなかった。それはある程度想定はしていた。

SR600通算30回め。
ん?と思った人は鋭い。
実は正確には31回だけど認定されてない(していない)
あとからできたようだがそのまま放置していたので、30回。
最近世界ではSRグラベルって言うのが急速に増えているので、これは来年あたりから本格的にそっちにもチャレンジしてみようかな。

久しぶり?のSR600京都
朝7時半スタート

からしたら「人間注意」だろうな、きっと

ここの景色毎回見入ってしまうな

 

小浜湾を望む

 

若狭基幹林道のグラベルも訪れるたびに短くなっているような気がする

 

若狭基幹林道も高いところはまだ霧がかっていた


グレーチングがエライことになっている。
これ夜中に下りとかだったら、まぁ確実にとんでもないことになっているな。

まさかまさかの百井の登りは押し

乗るとチェーンに負荷がかかるので、間違いなく切れる。
生まれて初めて百井を徒歩でクリア

 

守山のジャイアントストアで何とか走行継続にこぎつける

金勝の登りで日が暮れる

 

普通の人は金胎寺に夜中には来ないだろうな・・・

 

ちなみに右側の真っ暗なところは崖下・・・落ちたら死ぬ

3時05分にフィニッシュ。
事務所に戻ったら明るいやつやな・・・