ゴールデンウィークは四国三昧 SR600剣1回目 ② 祖谷よ祖谷よ、も好きのうち??

仮眠ってどこでしようか、って毎回走る前にチェックを入れている。まぁ最近は道の駅のベンチとかが多い。
場所によってはすごく快適な、これホテルよりええやん!みたいなバス停とか(どんなホテル泊まってるねん、って声が聞こえそうだが)走っているととんでもなく穴場スポットなんか見つけると、次回は必ずそこで仮眠するぞって変なスイッチが入ることもある。
が、野生動物から身を守れる場所(補給食含めて)、バス停や駅舎なんかだと営業時間内にはしないとか、コンビニ駐車場なんかも24時間営業だし利用しないとか、一応なんとなく気を遣っているというかマイルールがあったりするのだが。

 


まぁ今回は過去にも何度か休憩したことがある道の駅さめうら。
しかしいつも利用するよりも季節が早い、そして意外と朝晩の寒暖差が大きく、朝はすごく冷え込んでいた。
自分の装備は寒いと言えど何とかなる範囲だったが、さすがに初SR600の島野くんには地獄だったようだ。まるで魑魅魍魎の世界からやってきたような寝起き顔だった。

オレ的にはまぁ普通の「ホテル」だったが・・・
動きだせるようにスピーディに片づけて、少し離れたコンビニで朝ごはん。
徐々に太陽が昇ってくるのがわかる。太陽の光は偉大。毎回朝方は太陽に感謝している。こんな当たり前のことがちゃんとあたりに起こるよう、プラゴミだったり環境問題に少しでも貢献して環境破壊から今あるものを守りたい。オレ一人ではそんな大きなことはできないが・・・

高知を過ぎてからがSR600剣の始まり、そう言って過言ではないだろう。高知からさめうらまでの峠、そして赤良木峠からの土佐柴刈りの里へ。そしてさめうらへ抜ける林道。

そして本山から赤荒峠ダムへの登り、赤荒峠も勾配こそ知れてるが、まずまずの登坂距離だ。
そしてこのあたりガスがかかっているのか登っていくと雲海へと変わる。
穴内側ダムから国道32号に降りてから梶ヶ森スカイライン、そして1000kmの時にもなかなか破壊力だった梶ヶ森へ
前半の登りを登らないので気持ち的にはゆとりはあるが。それでもきついものはきつい。
まだ残り距離を考えるとペースは上げない。もし一人だったら上げたかもしれないが、とにかく3人で無事ゴールすることが最優先だ。

少し調子を落としていたかと思っていた島野くんがややオーバーペースで頂上へ。そして山本くんとオレは少し離れて頂上へ。
下ると国道439号京柱峠。登っているうちに気温もかなり上昇しボトルの水分も補給したい。特にオレ以外は頂上まで厳しい残量のようだ。
1000kmの時にも補給した自動販売機へ。で商店をみると営業しているので立ち寄る。
するとたちまち店のおばちゃんと意気投合し、店の中で休んでいけと言う。こういう行為はタイムアタックしていないのなら、なるべく好意は受け取るようにしている。
国道439号の昔話などいろいろな話を教えてもらい、あっという間に30分が経過していた。しかし不思議とロスをしたとか損をしたとかいう気持ちもなく、むしろすごく得をした気持ちになり3人で店を後にする。
京柱峠の頂上では香川県三豊市からバーベキューしにやってきたご一行さまとまたもや会話が弾む。ゴールデンウィークだな・・・

数年前よりはるかにきれいになった京柱峠ダウンヒル区間。それでも一般的には荒れた路面、さすが「ヨサク」と思わずにいられない。

今回のハイライトとも言うべき点は、京柱峠を下ってからさらに小便小僧そして三好へと下り、そこから落合峠を越えて落合集落へ。
1,500mの峠を越えて結果的に京柱峠を下り切ったポイントから5kmほどしか進んだところに出てこない。90kmのライドの末、進むのが5kmほどとなかなか手ごわい。
ゆっくりと走っていれば体へのダメージは避けられるが、精神的にやられそうなルート設定だ。5時間ほど走ってもまだ祖谷なんて。西祖谷から東祖谷、まさに
いやよいやよ(西祖谷東祖谷)も好きのうち。
いや、嫌いだし・・・もう祖谷地方満喫しているし・・・

小便小僧手前からさすががゴールデンウィーク、他府県ナンバーの車やオートバイで渋滞が始まる。結構関東のナンバーが多いのにビックリ。規制のない連休だけあってすごいことになっている。
下りでも渋滞がすごくかなり時間的にはロスした気持ち。そして落合峠のアタックを前にコンビニで腹ごしらえ。次の食事は川井峠を下ってからか・・・

落合峠へ、と言っても正確には棧敷峠(さじきとうげ)とセット。900m登ってから少し下って600mほど登る。25kmほど登っていくというはなかなか長い。
さらに言うとこのあと落合集落ビューポイントへ登って、さらに剣山、川井峠が控える。早明浦からゴールまではひたすらアップダウンを繰り返し、獲得標高もかなり多く、そして何より下りでスピードが出ないので、平均時速はかなり削られると思ったほうがいいだろう。
3人で進んでいけるペースを決めて進んでいく。棧敷峠を越えて落合峠を登っているうちに陽が沈む。陽が沈んでから防寒対策をするのは荷物を忘れてしまう可能性もあるので、桟敷峠から落合峠に向かって下り切ったあたりでレッグウォーマーを装着したりしておいたが正解だ。

標高を増すと気温も下がり、そして真っ暗で不気味感が増していく。
落合峠頂上は真っ暗。20時到着。
景色は、ない。
そしてこの先も含めてだが、こんな時間に来る場所じゃない・・・

落合集落へのダウンヒルは道ところどころ荒れていて注意が必要。
集落に入った時には正直ホッとした。下り切った自動販売機で飲み物を補給し先を急ぐ。
剣山への登りはあまりペースを上げないように進んでいく。汗をかいたら標高1300mからのダウンヒルで一気に体が冷えてしまう。眠さや疲労を紛らわせるのに喋ったりしながら進んでいく。
ダウンヒルは想像した通りかなり体温を奪われる。下り切って3人ともに寒さと疲労?睡魔?3人ともに疲労感が半端なく、自動販売機で暖かい飲み物。
こういう疲れたときに気をつけなければいけないのは、なぜか油断して「冷たい」飲み物のボタンを押してしまうこと。暖かいのが飲みたいのに・・・

川井峠もゆっくりと進むしかない。
下り切ったコンビニで暖かいものが食べたい。身体はなんだかんだ冷えている。夕方4時から10時間、ポケットの補給食だけで走っている。まぁここで食べとけば、ごーるしてそのままホテルに移動して、夜食なくてもすぐ寝られそうだ。

43時間17分。朝?夜?3時17分にゴール。
ゴールは感動的だったのだろうか。他の2人のことを見る余裕なく、はやくホテルに移動してシャワーして寝たい。それだけだ。ホテルまでたった5kmの道のりすら遠く感じる。

SR600、通算27回目の完走。そしてこれが初めて単独走ではない。
3人で走ることのメリットもあったがもちろん単独ではないデメリットもあった。
しかし仲間と2日間ともに過ごし、一緒に協力して走り続けられたのは簡単には得られない、プライスレスないいものを手に入れた気分だ。
山本くんとは1000kmブルべからなのでトータル100時間一緒に走っている。
自分で決めたこととはいえ、まずはサドルに座らなきゃ!って義務感からは解放される。
だけど、
きっと明日の朝は少しだけ走るな。
これぞまさに
嫌よ嫌よも好きのうち

 

おやすみなさい!!

疲れている証?朝カレー!そして朝のスープは定番だね。

赤荒峠で明るくなり、眼下は雲海
そりゃ寒いはずだね!

梶ヶ森スカイラインを登り切ると雲海は消えていった。

梶ヶ森は快晴で最高の景色だった

 

京柱峠で商店に立ち寄ると「中で休んでいけ」と。なんだか久しぶりのイートインwだった。

島野くん
「すみません、少し寝させてください」

と言ったと思ったらそのまま寝ていた・・・

三好で腹ごしらえ
このセブンのボロネーゼ、むっちゃうまいんだけど!思わずおかわりしようかと思った。

落合峠で日が暮れる。二度目のナイトランへ

落合峠。今回のルート最高標高だ

剣山を登り切り
ここからはR438。本当はR439でもあるのだが(共有区間)、ここからはもうR439の表記はない。

ダウンヒルニトリル手袋を着用。風が入らないので暖かい。

ゴール!
感動的ではないかも。ただ解放感は強かった。

さ、ホテルでシャワーして寝る!!