新潟市のPCで朝食。ここまで意外と時間がかかった。夜明け前に着けるかもと思ったがあまかった。途中国道402号線に入ってから夜が明けはじめ、早朝から練習している競輪選手ぽい人らとすれ違う。
PCはセブンイレブン信濃町店。ここで距離は折り返しとはならないが、気持ち的には折り返しだ。
5時33分、スタートから21時間33分。
まぁ速いとも言えないが遅くもないだろう。ここで食べながら少しだけウトウトと。
ここから群馬県に向かっていく。この辺りは土地勘もなく、ただただ太陽の向きを確認して自分の進んでいる方向を把握していく。
過去にSR600北関東を走った時に沼田方面から南魚沼、そして津南から上越と進んでいくときも土地勘がなさ過ぎて、それだけで精神的にも不安定になりスピードも低下していった。
今回は比較的走りやすい広い道が多いし、そして地名もまったく知らないわけではない。途中からは国道17号に入り峠越えになる。
火打峠や新潟側からは大したことはないが三国峠など。
新潟と群馬の県境付近のアップダウンは、一つ大きな峠で隔てられているというよりも、幅の広いベルトのような山岳地帯を越えていくダイナミックな峠越え。鉄道はこの区間ループをしながら高度を稼いでいく。関西方面だと滋賀県から福井へと抜けるあたりが、ここほどダイナミックではないがループと言い幅のある峠越えと言い雰囲気は似ている。
三国峠下りは勝手知ったるルート
このあたりは現役時代に何度か合宿やレースの時に走りに来ていたし、猿ヶ京は群馬サイクルスポーツセンターでのレースのたびに泊まっていた場所。いったい現役時代トータルで猿ヶ京に何泊したのだろう。のべ1カ月ではきかないはずだ。
少し気温のピークを過ぎ、少しひんやりしてきた中でダウンヒル。猿ヶ京から右折し中之条方面、大道峠。前から気になっていた道だ。
まったく土地勘がない道は不安でもあるが楽しい。その後安中へ向け地蔵峠??越えていく。この辺りは地名を見てもわからないし、おまけにあたりも暗くなりはじめ方角的にも不安な状態になっていく。
知らない道の割にはまぁまぁいいペースで走り碓氷峠へ。ここはSR600富士で何度も来ているので大丈夫。
連休が絡む碓氷峠とあって、他府県ナンバーのチューンナップした車が走っている。
ブラインドコーナーの向こうでは結構いい音を響かせているのでちょっと怖い。それでも明かりを見つけると減速して普通にすれ違ったり抜いていってくれるのだが。
キャットアイのVOLT1700でいつもの登りよりも少しだけ遠くを照らし、車に少しでも早めに気づいてもらうようにする。
同じ車が何度も行き来をしているので、前から車などが来ていなければそれなりのスピードで走っているのだろうか。音も響き渡っているし・・・
軽井沢の町を抜けたPCのセブンイレブン西軽井沢店到着。22時18分、スタートして38時間18分経過。気温10℃。
ここで仮眠をどうするか考える。
さすがにこの時間でこの気温だとさらに低下するのでここはNGだ。
佐久まで下ってから考えたほうがよさそうだが、まずはここで防寒仕様のウェアにチェンジ。
インナーウェアをメリノウールに。ヘアバンドやグローブなども交換し貼るカイロを使用。走るときには不要だが、寝るときには必要だ。暖かい方が寝始めが早い気がする。
ここで上越まで一緒に走っていた人が合流。
上越で先に出発され、火打峠途中でパスし、猿ヶ京から山岳コースを終えたコンビニで休憩していた時にパスされ、その後再度パスしたが。
最近はあまり知らない参加者とは行動を共にしないようにしている。
自分の場合のパターンで言うと、協力はされないが、後ろはついてはこられる。
もしその人が例えば後ろで単独落車したら・・・まぁ無視して、放置して走り続けるのは厳しい。病院付き添いとなってもそもそも知らない人なのだから警察に何を聞かれても困るし。
少なくとも一緒に協力して話をして誰なのかぐらい知ってないと、正直なところ病院付き添いとかまっぴらごめんだ。
知り合いからそういう事例を聞いていたので(見ず知らずの人がずっとついてきて、別れた直後に単独落車したのをオートバイだか車の人が「お連れさんが落車してますよ」と声をかけられ、放置もできなくなり、で行ってみると意識を失っていて警察や病院のお世話まで)
ここ2年ぐらいで言うと関西の山本くんや野村くんとは一緒に走っていて、山本くんはオンラインショップのお客さんだし住所も電話も知ってるし、野村くんはサポーターズクラブに加入してくれているので彼も住所も電話も知っている(笑)
まぁそこまで知る必要はないのだが、せめて少し位あなたが誰か教えろよ、と。
過去に
「一緒についていかせてください!(って、ついてくるだけかよ)」
で途中で
「すみません、トイレしたいので待ってもらえますか?」
は?なんでやねん。なんでずっとオレがルート確認からペース作りして先頭牽き続けて、挙句にその人のトイレ待ってゴールまで連れていかなあかんねん・・・
申し訳ないけど一人でブルべを楽しんでください(;’∀’)
こちらはこの先寝る気満々だったし、彼は装備的にかなり軽装備でそういうエクストリームなライドがちゃんと安全にできるのか知らないので(できる人はだいたい見たら知っている人)でも装備的にどこかでストップするような感じでもないし・・・先に出発し寝床を探す。一緒に仮眠して一緒にゴール目指しますと言われても困るし・・・
ちょうど佐久の町はずれにバス停発見。気温も3℃上がっている。やはり標高下がると気温は上がった。たまに盆地だと、底に行くと気温は下がって更に結露したりして余計に寒くて最低なときがあるので、低い=暖かい、とは言えないのだが。
MARUTOのエマージェンシー輪行袋を使って快適に仮眠。この商品は開発のお手伝いをしたもので、以前もデスライドになるのか!!なSR600四国山脈でも守ってくれたし、軽量でしかも暖かい。もちろん輪行袋としても使えるし、ポンチョとしてもテストしてみたが十分使える。こいつのおかげでエクストリームライドなブルべでは幅が出たのは事実だ。
しかし仮眠していると十分不審者なので、不審者度合いを下げるため自転車の尾灯は一応点灯。一応ちょっと寝てますねん!なアピール。ライトもなくそこで寝ている、倒れていると思われたり、通過する車で瞬間的に視界に入ってドキッとされても危ないし。
今回の仮眠目安は2時間。
寝る場所は可能な限り少し進んだところにコンビニや最低でも自動販売機が担保されているところが理想だ。完全町はずれで、さぁ進むぞ!ってときに何か買いたいというときにUターンするというのは、何か損した気分になる。
暑い季節や場所なら、コンビニの端の方で仮眠しちゃうのもありかもだが。
今回はとにかく麦草峠の手前で寝るのがポイント。
標高2,000mの麦草峠を一番寒い時間帯に通過するのは避けたい。
9月中旬ともなると、最悪の場合は最低気温が0℃以下もありうる。そうなると装備が増える。
もう少しペースを上げたライドなら、麦草峠後の茅野や、もしくは杖突峠を越えた高遠も考えたが、そのためには結構ペースを上げないといけない。
今回佐久の仮眠をパスしたとして麦草頂上は順調で3時以降。これは一番走っちゃいけない時間。ベストは3時には既に茅野、だろう。
そうなると理想は朝7時ぐらいに頂上か。それを逆算して佐久を出発。そうなると出発時間も確定し睡眠時間も確定する。
そう考えると一緒に走っていた人、大丈夫だったんだろうか。
ゴールした時に確認したらかなり寒かったらしいが(そりゃそうだ)少しでも気温などの予測を誤ると命の危険に直結だしね。
一応のエマージェンシーネタで言うと
こういうエクストリームライドで強引に標高の高いところを低温時間に超える際は、
- ウィンドブレーカー
- 長指の風の通らないグローブ
- 貼るカイロ
- エマージェンシーシートをウェアの内側
- 小さめの貼らないカイロを手袋の甲の方へ
- 冷たい空気で気管支系の負担減らすのにマスクやネックウォーマー使用
- おでこや耳を温めるべく、ヘアーバンド着用、そして顔面に冷気が当たらないようにキャップ着用
これでかなり助かる。
この装備を麓から持って走る必要がある。この半分を持たなくていい、調達しなくていいほうがラクチンだし、酸素が薄いところで頑張り続けると登りや下りで睡魔に飲み込まれて危険なので、そう考えると強引突破案は今回は却下。
特に今回は交通事故のあとでまだ肩甲骨にはボルトが入っている。最悪の場合はホント最悪の事態になってしまう。
余談だが、コンビニで貼るカイロを購入しようとしても、寒いからといつでも売っているわけではなく、困った経験はある。通年確実に売っている保証がないものは、多少かさばっても持っていくべきだ。
麦草峠をチンタラと。登りで汗をかくようなペースもご法度。とにかく登りでは汗をかかないようなゆっくりペースで。
そして小海を過ぎて松原湖が近づいたあたりで夜明けが始まる。この時間帯が一番体がしびれるほど寒いが、良かった、まだ標高1,500m以下で(笑)
頂上付近の駐車場はクルマが混雑。登山に行かれる方が朝から多いようだ。
06時40分 頂上
この時間なら夜は空けているし、寒さもピークは過ぎている。
茅野側への下りは雲海でキレイ。ぞのまま一気に下るのはもったいないので写真を撮りつつ下る。
下り切ったところのすき家で朝ごはん。昨日一日コンビニ飯ばかりだったので暖かいみそ汁が体に活力をよみがえらせる(気がする)。
新潟平野を一路群馬へ
朝のうちはまだ厚い雲に覆われて、何か別世界を旅しているような景色だった。
越後湯沢では連休の影響で車も多くお店も人がいっぱい。さすがに昼食はコンビニで済ませた。
ここからのダウンヒルは、現役時代に何度も経験。レース前日のライドで良く県境まで来ていたから。
中之条で食事
明るい時間に停まって食べるのはもったいない気もするが、食べないと前には進めない。
碓氷峠を越えてようやく軽井沢へ
思っていたよりも気温は低くてビックリ
佐久の町はずれのバス停でしばし休憩
Z~~Z~~
麦草峠へ登っていく時間で、その日の最低気温時間になるよう調整。
小海側からのヒルクライムは人生二度目。そして茅野へ向けてのダウンヒルは初めて。
松本や塩尻は雲海の中。
茅野へ下って最初のミッションは
朝ごはん!
暖かいみそ汁は生き返るぜ!