3回目のSR600紀伊山地 

今年3回めのSR600紀伊山地
走れば走るほどに
SR600はサイコーに面白い

ブルべは面白い。
だけど、普通のブルべと比べてもSR600は面白い。
何が面白いのか。スリリングでかつスペクタクルだからかな。
一人で日が暮れていく山を走っていると、人の文明力が届かない世界があるのではないか?と感じる瞬間がある。何か勘違いで間違っているかもしれないが、この瞬間から先、そしてその時間がフェードアウトして再び人間の強さを感じるまでが好きなのだ。要は
ナイトランは楽しい。だけど危険。それをコントロールしている、人間力で自然と遊んでいる自分が好きなだけかもしれない。

トレイルランニングや登山なんかも興味がある。ただ興味はあるが、知識はない。
だから今自分ができるチャレンジ、一般的にリミッターがあるとして、それを越えられる知識を持っているのは自転車で、SR600なのではないかな、と思う。きっといま興味本位で夜通しアルプス縦走なんてやろうものなら、遭難間違いなしだろう。
このドキドキ感は600や1000ブルべでも感じられない。
パリ~ブレスト~パリやロンドン~エディンバラ~ロンドンも過酷でスペクタクルだ。
しかしSR600のように、やり方次第で単独チャレンジにはならないし、「最悪の場合」という最悪レベルの桁が違う。だからこそSR600はやめられないのかもしれない。
過去にビーナスラインゲリラ豪雨でウェアをびしょびしょにしたあとに山の上は氷点下、ウェアが凍ってきたのにはびっくりしたが、そのあと記憶が結構あいまいで自分の記憶が繋がっていないことにあとから驚いたことがある。

何度やっても同じじゃないし新しい発見そして大きな失敗もある。だからこそはまっちゃうのかもだけど。

 


そんなSR600、紀伊山地は今回で3回目。今回の調整事項は
ダムカード(池原ダム・七色ダム)をゲット*ダムカード配布時間に到着
眠くなる時間帯には玉置山を下り終える
4回目のチャレンジは宿泊する予定だが、どこがいいか宿探し

上記のテーマを考えるとスタート時間は朝6時。
これは悪くなかった。しかし最悪でもあった。

  • 良かった点

明るいうちに遠くまでいける。特に七色ダム~新宮までの区間は、景色もきれいだったり、周りの状況を今まで知らずに走っているところもあったので、そういう意味では最高だった。

  • 最悪の点

自分の性格も災いしているのだが、お店が開くまで時間調整しようという気が薄い。
人気店のラーメン屋に興味がないのは、並ぶのが嫌いだからである(笑)
今回那智への入り口のコンビニのあと、護摩壇山の道の駅までお店がなかった。
いや、龍神あたりでは個人商店のようなお店は注意すれば開いていたのかもしれない。
道の駅龍神には8時半。30分待つ気はないものの、お腹は既に空腹。
30分待って食べてから走るか、空腹のままスピードが出ないのを承知で走り続けるか。
どっちが速いのだろうと考えた結果、空腹のまま走り、頂上までラスト10kmはハンガーノック気味のまま走り続けた。

  • 今回の結果

タイム狙いでノンストップするのならば、
那智のコンビニ、龍神のコンビニや道の駅を利用する。そしてその間をどこにするのか。本宮のコンビニはごみ箱は設置していなかったはずなのでここまでのごみ処分ができない(もしかすると自分のチェック不足かも知れないので、最終確認は各々でお願いします)。
そういう意味では近露のAコープ紀南熊野古道ちかつゆ店だろうか。
トイレはきれい、ごみ箱設置、食べ物豊富だ(笑)
ここは朝9時から。逆算してスタート時間を考えればいい。が、一番睡魔と戦う3~6時、暑さと戦う10~14時にどこを走るのか(暑い場所は避けたい)そのバランスの一番いいところはどこなのか・・・

個人的には朝7時半スタート。
これなら新宮までは秋でなければ明るいうちに到達できる。
暗くなり「別の世界」へと突入しているが、それでも夜明け前のや夜行性動物の活性化する時間よりはマシ。色川から熊野川まではやや難易度の上がる、難しい区間であるのは同じなのだが、しかしこういう見通しの悪いところのナイトランメリットは、ライトをつけない車はいないし車の視認性は格段上がる。何よりもそんな時間にほとんどの人は活動をしていないし事故の心配は激減だ。事故をするとしたら自爆で谷底に落ちる、ケモノと衝突する、だろうか。

朝方の玉置山になるのは間違いないが、うまくいけば下りは明るくなっているかも。
今回はナイトランでの下り(3時ごろ)かなり難易度は高かった。
とびだすケモノを避けるため、無駄に声を出したり歌ったり。声を出すことは非常に有効だ。が、眠くなると声が出ない。

そんな検証も兼ねていた3回目のチャレンジ、朝6時にスタートした。

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今回の使用バイクは、昨年から使用しているエディメルクス・ムーラン69
今年の使用バイクであるサンレモ76を使わず敢えてのムーラン69なのだが、これには理由があり、まずは今回別の理由でテストパーツ装着。それがこのムーラン69だった。
あとはサドルもテストサドル(フィジーク・アリオネオープン)

ホイールは手組み、今では既に廃盤となったカンパニョーロ・レコードの36H。12年使用している。ハブのベアリングなど消耗品は好感しているが、まだもう少し問題なく使えそうだ。
今月より活動を応援してくれることになったフルジェルも太っ腹に4個持参でスタート。

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内灘ロードから、というかそれ以前からずっと忙しくて、前泊したかったが用意する時間がなく、当日早朝に自宅を出発。高速を使えば1時間強でここまで来れるのでありがたいが、それでも過酷なだけに1時間でも多く寝たい。

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過去に何度もSR600では自分の常識そして自分の考えている基準は甘い・低いと教えられた。
降水確率0%の信州ビーナスライン真夜中
低気圧の雲にすっぽりと入り込み、霧で前が見えないうえ全身ビショビショで体温が奪われて集中力が彼方へと行くのがわかる。
ライトの光量そしてバッテリーの持続時間は余裕を持ちたいのはこういう遊びですまないことになる可能性があるから。

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荷物が増えれば増えるだけスピードが落ちてしまい、体力も奪われる。
しかし減れば減るほど、何かあった時に対応するものも削ぐひつようがあり、そのバランスが経験であり、速さと安全のバランスなんだと思う。
霧のビーナスライン、真夜中の真っ暗な公衆トイレの中へ避難。
シューズカバーは降水確率的に持っていない。予備チューブをパーテーションするために使用していたジップロックをシューズの先にかぶせてビニールテープで固定。
しばらくすると蒸れてきて熱がこもり寒さが和らぐ・・・