さて、気が付くと7月。
先週の木曜からSR600紀伊山地、そして紀伊半島を一周する600kmブルべと、荒天の中まさに
キィ~~~ざんす!
元々SR600を走ろうとしたり走っていると、降水確率0%からの嵐とか・・・
今回は予報的には雨だったが伯母峰トンネルを越えて熊野サイドに入った途端すさまじかった。
あちこち水に大きな水たまり。リムが全部つかるほどに。それでも動転せず冷静に進めたのは、SR600紀伊山地の最初の頃に同じような川下りみたいなときを経験したからか。
今回41時間ほどでフィニッシュしたけど、40時間は雨。多分今までのSR600出走史上もっとも過酷なコンディションだったと言えるだろう。
朝6時にスタート。
最初の葛城山越えから試練の始まり。とにかく雨が半端なく、顔に当たると痛い。
そして登るに連れて風が強い。過去のペースを参考に見ていると20分遅い。
速いときで1時間40分。今回は2時間を超えている。
普通なら多少ゆっくりと登っても下りである程度調整していくのだが、走ったことのある人ならわかると思うが、雨だとこのSR600最大の危機は葛城山の下りでやってくると言って過言ではない。中盤あたりの簡易舗装区間は急勾配で滑りやすい。ブレーキレバーを離すことはドライでもないほど。
今回スタート前にブレーキシューは8分ほどの残量。普段なら変えるほどじゃないが新品に交換して挑んだ。
最初の下りで摩耗が始まると、色川からの下り、玉置山の下りではかなりリスクを背負うことになる。ブレーキシューの摩耗は最初は微々たるものだが、途中から一気に加速して摩耗する。なのですり減ったものは予想をはるかに超えるペースで摩耗するのだ。
過去SR600四国山脈ではブレーキシューがほぼ底までいってDNF。三好に下ったが、もしそのままコースフォローしていたら残り2つほどの峠の下りは・・・
現役時代にもレース中にブレーキシューがなくなったこともある。ほぼ新品でスタートして・・・
葛城山を下り切ってブレーキシュー残量を確認。溶けてはないから大丈夫だ。
とにかく変な文章だが
下りで如何にブレーキシューを温存するか
そしてなるべくフロントブレーキを軸にブレーキング。もっと言えばリアブレーキはほぼ使わない。
ここから先もなるべくフロントブレーキに頼るブレーキングで摩耗を抑える。
吉野ではグランフォンドin吉野でお世話になっている駐車場の山本さんにて昼食。だいたいいつも6時に出ると昼前でいい感じのタイミング。今回は昼を回ってしまった。
そしてそのあとコーヒーを飲んでいたら1時間ほど長居してしまった。
雨が小康状態のうちに先へ進もうと伯母峰へ向かう。
上北山そして下北山と結構な雨量。そう言えば過去にもそんなときがあったなぁ。
過去に経験しているとリミッターが切れるのか、限界だと思っていたことも難なく超えられる。
登りはやや疲れがあるのかスピードはそれほど速くなく、そして下りはウェットコンディションでスピードが落ちていく。走れば走るほどに予想タイムから遅れていく感覚だ。激しく降っては落ち着き、精神的にギリギリのところでテンションを保たされているような感覚。
新宮のすき家で晩御飯にしようと思ったが、ビショビショだというのもあるが、タイムを挽回すべく勝浦のコンビニまで行こうと走り出す。
しかし新宮郊外のマクドナルドでやっぱり温かいものを座って食べたいとびしょ濡れのまま店内へ。
若い男性スタッフ(大学生ぐらいか)に詫びると素晴らしいスマイル、お金払ってもいいぐらいのスマイルで気にしないでください、と声をかけていただいた。少年のスマイルに惚れてしまい、思わずホットアップルカスタードパイもデザートに購入してしまった。
そして店内に入ったと同時に今日一番の激しい豪雨。間一髪だった。
小康状態になったタイミングでスタート。勝浦のコンビニでとにかく朝まで走れるだけの食料を購入。実は毎回いつも足りなくて、それが原因で睡魔に襲われている。
真っ暗の那智の滝の音は地響きのようで不気味。今までの那智の滝で一番水量があるのだろう、ホント音がヤバすぎる。しかし高度を上げるにつれてその音は小さくなっていく。
色川あたりでは恒例の鹿の歓迎を受け、そして今回生まれたばかり?な小鹿に。
親と一緒に逃げれず、どうしていいかわからず、何度も逃げては戻ってきて、結局オレの前で立ちすくんでいる。
可愛いが安易に撫でたりして人の匂いをつけないほうがよさそうだ。
ガードレールのない川沿い。集中して下らないと取り返しのつかないことになるようなルート。轟音の水の流れる音を横に小口の集落へ。ここまで来ると一安心。熊野川の集落で人が動き始めるまで寝ることにする。屋根のあるいいところを見つけた。
あたりが明るくなってきた。2時間以上は寝たようだ。屋根のおかげで雨に濡れることなく快眠だった。いや、正確には朝方から雨量とともに風の勢いが増し、少し奥まで雨が降りこんできていたが・・・
玉置山の登りは、きつい。
何回登ってもきついが今回もきつい(笑)きっと永遠にきついのだろう。
そして今回は登りだしと同時にバケツを、いや、浴槽をひっくり返したような大雨。
時間あたり50mmぐらいは達しているのだろうか。もしかするともっただったのかもしれない。朝の雨雲レーダーを見ていると真っ赤な雨雲が迫ってきていたが・・・
滝のような雨で登りはスリップ連発。しかし驚いたのは、苔の生えた下りでは全然滑らない。そしてリムも水没しているおかげかホイールの汚れがなくなりブレーキシューの摩耗が遅い。しかしこれだけの雨の中を走るのは精神衛生上よくない。
下っているうちに激しい雨雲は去ったのか、頂上付近での出来事が嘘のよう。
十津川まで下ると清流で癒される北山川も濁流の北山川に。
明るくなり商店の開いている時間に北山川を走るのがすごく久しぶりだが。
本宮の町のコンビニでパンを購入。この次は龍神で補給を買い足す。最近は「ふれあいマートあだち」さん。手作り弁当がなかなか美味しく、食べた後のごみ処理もしてくれ、感謝だ。
国道371号の龍神スカイラインは走っていると勾配やコーナーなど、国道っぽさがない。元々は国道ではなかったはず。頂上付近まで車やオートバイなら快適な楽しいドライビングコースだが、自転車だと最後まで休ませてもらえない急勾配の峠道だ。
今回15時ぐらいに通過。ゆっくりと道の駅で余韻に浸っている時間はない。
小雨のうちに進まねば、また浴槽をひっくり返したような雨になるかもしれない。
野迫川からの登りは。これが終われば登りはひと段落。そう思うと辛い気持ちもあるのはあるが、これでもう登らなくていいと思う安ど感そして解放感、さらに登りの余韻を楽しむ余裕もある。
高野山のファミリーマートで夕食。雨だが外のテーブルで食べる。ここまでの雨が激しすぎて小雨だと全然気にならない(笑)
90年代と比べると全く別物に感じる高野山の下り。まるで参拝者にかっ飛ばしってさっさと帰れと言っているかのような道路だ。くねくねと修験道を思わせるような、徳のないものは崖下に落ちろと言わんばかりの道路だったが。今では徳は不要だが高性能な車は必要そうな、走っていても面白くもなく、それどころか気が付くと後ろからすごい勢いで車に煽られるという、神々しい高野山からの道とは思えない、ホント最低な下りに変わり果ててしまった。
陽が落ちて雨だと飽きてくる海南への道。
海南まではなぜかスタートから延々と向かい風基調だったが、海南に到着してようやく追い風。待ちに待った追い風だ。
最後の、ホント余計に思える最後の休暇村への坂を登り泉佐野へ。
雨で脚がふやけてペダリングが痛いが、早く解放されたい気持ちで耐えてフィニッシュ。
41時間03分。
おお、吉野のあのコーヒータイムが41時間の壁を阻んだのか!!
次は缶コーヒーにして時間節約するか・・・
朝6時スタート
いや、過酷な道中を前にくつろぎの一杯を飲んでからだな☕
場所によっては小川が既に濁流と化している
吉野では恒例のランチタイム
そしてコーヒーをいただいた。
伯母峰トンネルを目指す
七色ダムを過ぎて瀞峡
ざっくりと数えただけでも1930枚ほどある丸山千枚田
熊野速玉大社では日が暮れる
新宮を過ぎてマクドナルドで夕食
入った途端にこの日一番のゲリラ豪雨?すごい雨だった。
勢いでデザート。
そして那智の滝からの、県道43,44,45のお得じゃない3点セット
案の定・・・もれなく嵐がついてきた
時々こんな感じで落石している・・・
って、デカすぎ!
お~~っと!通行止め!
と思ったら4トン車以上。
今全身濡れてるから4トン近くありそうだが💦
親子の鹿が目の前にとびだしてきたが、小鹿は逃げられない。まだ生まれたばかりか??
どこまでも激しく雨が降り続ける
道路も川状態
熊野川でいいお宿発見
最近はNEMOのフィッロという枕を持参。これがホント驚くほど寝られる。軽量だしいつもサドルバッグに入れている。
そしてMARUTOのEMG輪行袋を使用。
朝を迎える。
駐輪場だったのかな?
熊野川サイクリングターミナルホテル、と名付けよう・・・
ポイントはつかないが、足に虫がついとった・・・
玉置山に流れる小さな滝も、今日は激しすぎる
まぁこの天気だ、いろいろなものが落ちている
けっこう手がヤバい。ハンドル握る手に力が入らないと思ったら・・・
お気に入りの龍神のあだちさんでランチ。
手作りで美味しすぎる。
護摩壇山クリア
フィニッシュは23時03分。なので41時間03分
さ、さっさと宿へ移動だ。
ホテルにチェックインし、まずは風呂だ風呂。そして足を元に戻さねば!
そりゃペダリングしたら足の裏が痛いはずだ。