今年もフレッシュ完走

人生は、前にしか進まない。
自転車も同じ。
すごくいい思い出とともに走れた最高のコンディションでも、それは過去の話。

良いときもあれば悪いときもある。
今回のフレッシュでは、ことごとく悪いと思えることが続いた。
だけどそれも含めて、今起こっている事実、今はこれがすべて。受け入れるしかない。

落車、自転車破損、パンク・・・
他のメンバーのブレーキでスピードは上がらず、焦りばかりが増えてくる。

人は多くの経験で、多くの引き出しを得られるはずだ。
その引き出しは前に進むときに役立つはずだ。
状況によっては、その場から去ることも必要だろう。
だけど「去る」という行為も、本当は「今」から進んでいるということかもしれない。

いずれにせよ、今この場からどう「進む」のかという引き出しが、時と場合によっては明暗を分けることになるはずだ。

 

 


昨年に引き続いてのランドヌール東京さん主催のフレッシュに参加。
普段活動を応援してくれているサポータークラブメンバーの中でブルべを楽しんでいるメンバーとともにゴールを目指す。
素晴らしい天気。これは自転車に於いて非常に重要なファクターだ。雨の24時間と晴れの24時間なんて、やっていることが違い過ぎるし、これをやり遂げるには、とんでもないレベルでの「引き出し」がないとできないだろう。


ルートは昨年とほぼほぼ同じで368kmのルート。
新横浜から小田原、そして伊豆半島をぐるっと回り、富士川沿いに北上しナイスプレイスの石和温泉を目指す。
リーダーをしてくれている川邊くんが、今年は引っ越しや仕事の関係などで昨年よりも走れていない。序盤から苦しい展開だった。そしてそれはほかのメンバー的に、というか自分か。魔が差しての落車・・・約40km地点だった。
そしてこれがきっかけだったのかわからないが、200km地点で下っている最中に突然Rディレイラーが破断し、ホイールの中に入り込みホイールも壊してしまうった・・・

今回新横浜へは輪行で前泊。そのすべての荷物を持って走っていた。
21時ごろのに西伊豆は絶望的に何もない。
輪行袋も着替えも何もかも持っているのに、一つだけ非常に大事なものを持っていないものに気づく。
駅だ。
例え着替えて輪行しても駅がない。
途方に暮れつつどうしようかと、と言うか正確には状況を見た瞬間にやめようと思った。いや、DNF以外の選択肢が存在しなかった。
が、時間とともに冷静さを取り戻し、30分と立たず前に進み始めていた。
Rディレイラーを外してしまいチェーンを直結しシングルスピード状態。
破断したスポークを折り曲げて外れないようにし、ひとまずホイールが回るように応急処置。
負荷がかかるとチェーンラインが完璧にまっすぐではないので、軽いギヤに乗っかてチェーンが切れそうになり回らない。如何に切れないようにペダリングをするのか。登り勾配のきついところでは、チェーンが切れないように足先に感覚を集中し、ちょっとでも異変を感じたらすぐに脱力し踏まない。戸田から登りでは異変を感じて自転車を停めたり(歩いて登った)大変だった。
しかしそれは自分が選択した「進む」
39Tx19Tと言う登りで使うような軽いギヤで高ケイデンスで食らいつく。

夜が明けて突然姿を現した富士山。これを見るために走っているわけではない。しかしこれを見ると走ってよかったと思う。


すべては順調に。タイムアウトペースにまで落ちたが、みんなの頑張りでゴールが見えた残り3.8km、大きな爆発音とともに後輪バースト。
パンクしたまま進む選択肢もあったが、既に後輪は応急処置状態で走っている、過酷なコンディションに耐えられるキャパシティは非常に少ない。時間を確認しながら最低限の処置を施す。
パンク修理、5分。
空気圧は3気圧ほど。シクロクロスで培った低圧での走りでゴールを目指す。6気圧にまで携帯ポンプで上げるのは時間を要する。
本当に最後まで試練。そして自分の引き出しの多くを開けた。
その引き出しを一緒に走ったメンバーに見せられたことは、彼らにとっても次回以降何かあって進むとき、その引き出しが前へと進ませてくれることだろう。

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