明日はフレッシュへ 

そう言えば昭和から平成はある時突然に起こった。
膨らませている風船が予告もなく突然割れるようなものだろうか。
京都駅烏丸口で号外をもらったような記憶はある。



あの時は一生忘れないであろう一瞬が、ずっと続いていたはずなのに断片的にしか思い出せない。

確かだが・・・いや、もしかすると何かと何かの記憶が繋がってしまって、本当は違うかもしれない。

朝から女の子とデートで映画を見に行こうとなり、河原町ではなくなぜか京都駅で待ち合わせだった。
しかし、結論から言えば来なくて、「フラれた」
昭和、まだ携帯なんてなかった時代。
映画なんて軽く2本ぐらい見られるぐらいの時間を待ち、公衆電話から自宅に電話してようやくつながったときに「ごめんなさい」と言われて切られた。そして途方に暮れて帰宅しようと歩いていた時に目の前で号外とけたたましく声を立てながら、新聞に人々が駆け寄ってざわついていた。

 


目の前から昭和が消えていく瞬間。
見る景色から鮮やかな色だけが抜けていくような、セピア色へと近づいていくような記憶。
ふだんは他人のように生きている社会が、急に同じ事象に統一された感が、なぜかそう思った記憶だけが重くはっきりと残っている。


今度の令和と言う時代は、そういう意味では割れそうに膨らませた風船を、割れるまでの時間をじっくりと感じているようだ。
そしてそんな年号の移り変わり方を、周りの人のほとんどが初めて経験するということ。
明治から大正、そして昭和と続いた歴史の中で、崩御された以外で変わるというのを知っている人が周りにいないというのも興味深い。
老いも若きも初体験なのだ。

そんな平成最後?とあちこちに蔓延しているフレーズだが、明日から「平成最後」のフレッシュを楽しんできます。
昨年と同じルートでほぼ同じメンバー。
たまたまブルべをしていて知り合った、応援してくれている人たちがブルべをはじめて、そして気がついたらみんなランドヌール東京さんに出入りしていたりスタッフになっていたり。
そんなこんなでランドヌール東京さんのフレッシュも3回目となる。

フレッシュの面白いところは、ある程度自分たちでルートを設定できること。ルートの難易度も選べるということだ。
仲間たちと協力し「ナイスプレイス」を目指す。
今回は370kmほどと、距離はけっして長くはない。
横浜から小田原を通り伊豆半島を一周し甲府、そして石和温泉を目指す。
難しいのは、意外と伊豆半島は場所によっては補給難民になりそうな場所があるということだ。

下田を過ぎての西海岸は、夜になると信号もなく車も来ないような道を延々と走り続ける。
ナイトランで自分のライトに照らされている空間だけを見続けて走っていると、今起こっていることを想うよりも、まったく関連もしないようなことを考え込んだり、火花が散ったようにほんの一瞬にだけ想ったことに言葉を発しそうになる。

時間軸とまったく関連がないようなことを考えたり行動をしたり。
そんな時にふと昭和天皇崩御の号外は突然風船は割れたのではなく、そろそろ割れそうだ、という見解のもとで既に作られていたのものだったのだろうか・・・
そしてもしかしてフラれたことも、まるで必然でカウントダウンだったのかも知れない・・・

 

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