キャットアイ VOLT800からNEOへの対策

キャットアイさんの開発のお手伝いを始めて、早30年以上。
元々キャットアイさんと言えばスピードメーターだったんだけど、今はライトのイメージの方が強い。
中学の時はキャットアイの初代スピードメーターになるのかな、CC-1000も使っていたし、ヨーロッパで走っているときは一貫してキャットアイ

あ、CC-1000って言われてもわからない人のために、過去にキャットアイさんでのインタビューでCC-1000と写真撮影したものがあったので。
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プロのときは製品としてのクオリティも高く、特に雨の日に画面が消えないように工夫され(この辺りの対策品テストはお手伝いしていた)ヨーロッパのトップライダーもスポンサー無視して使用していたり。某ベルギーチームでフランドルやパリ~ルーベで活躍していた自分たちの下の世代の元世界チャンピオン(名前は伏せておくが)は、スポンサーされていたメーターが雨で使えないポンコツだったので、メーターを自転車と一緒に放り捨てて、新しいバイクにはキャットアイスピードメーターを自腹で使用していたって話もあるほど。
最近はGPSでメーターという機能が多様化してキャットアイさんも以前ほどスピードメーターには注力していないのかな、と思うのだけど、そのかわりにライトに関しては
自転車のライトと言えばキャットアイ
って言っていいほどに。
こちらもブルべをやり始めてからずっと愛用し、そして製品開発でもお手伝いしています。
そりゃ世界でキャットアイライトを命がけで酷使しているレベルでなら、オレが一番でしょ(笑)

 

今年に入ってキャットアイのライトを代表するVOLTシリーズがNEOに進化。
配光に工夫を凝らして対向車に対する配慮、そして前方のサイド部分の視認性向上が特筆すべき点だろうと思う。
だけど
個人的には今回のモデルチェンジで一番貢献した部分があり、それはほぼ評価に至っていないし(ショートタームだと絶対辿りつけない)マイナーチェンジ部分がある。正確には評価されていないというよりも、ほぼ誰も気づいていないかな。
その対策箇所は相当エクストリームなサイクリストじゃないと気づいてくれないんじゃないはず。

それは、ライト本体とブラケットを固定するためのプラスチックパーツをライト本体と固定しているボルト。
これ、頻繁に充電でライトを自転車から着脱を繰り返したり、ライトの配光を調整するのにサイドに少し回転するけどそれを頻繁にしていると、このネジがグラついてしまった人もいると思う。
そしてこのネジが確か1.5mmだったかのあまり持ってなさそうなアーレンキーが必要で、ブルべの時も持参していたけど、なにせ細く小さなアーレンキーなので、1年もするとどこに行ったか分からなくなる・・・まぁ多くの人はネジが緩んでもどうしようもなくて・・・オレはアーレンキーなかった時、とっさに結束バンドでライトと自転車を固定して走り切った。
自転車側に装着するブラケットも緩むことはあるけど、そちらのネジはプラスネジということで意外と携帯工具でもついているし締めこむのはそれほど困ることはない。
2020年あたりまで緩んでは絞めてを繰り返していたけど、こんなに何度も緩むということは(多分オレの使い方が常人レベルではないのだけど)これは対策してもらおう、ということで報告して対策してもらいテスト。
自分のエクストリームなチャレンジでは対策品を使用していたけど、今回のネオシリーズからは対策済みボルトを採用。
こういう細かなところでお手伝いしてきたものが採用されていると、命がけでライドしてきてよかったな(大げさか?)

これからも一般的な人の想定をはるかに上回る使用でテストライドしていきたいと思います。

 

従来のVOLT800(上)とVOLT800NEO(下)
バッテリー容量が違うのでバッテリーが大きくなり、その分重量は増している。
VOLT800NEOが176gでVOLT800が140g。2灯使用で60gほど重くなるのは個人的には嬉しくはないのだが、それを越えるメリットが点灯時間。

ローモードでの点灯時間が12時間/8時間。

そして充電時間が従来5~9時間だったのが約4時間に短縮されている。

これは急速充電対応になったからだそうだ。

 

ブラケットと合体するプラスチックパーツをライト本体と固定しているネジがNEOでは新しくなっている。左がVOLT800NEO。これが緩み防止の対策品。

 

 

相当過酷に使用してきたVOLT800