LEL参戦記 3

手っ取り早く時差ぼけを抜くには、さっさといつも通りのリズムにしてしまうのがいい。
選手時代はレースの2日前にヨーロッパへ「戻って」も、日本から西への移動、ヨーロッパへの移動はそれほどきつくないから何とかなるものだったけど、さすがにウルトラディスタンスともなるとそうはいかない。
2011年のPBPでも疲労と時差ぼけで400kmほど走ったところで完全に売り切れた。
2015年は時差ぼけ対策でもう少し早めに入ったおかげで「まし」だった。
走り出すとどうしても寝不足になる。そりゃ頑張って運動して走って行くんだから、どうやっても眠くなる。
批判的な意見もありそうだけど、実は2015年のPBPはすごく楽だった。
43時間で睡眠なしでフィニッシュ。一番起きている時間が短かったし、何よりも寝落ちしそうにはなったけど、最後まで集中して走ることができた。

 


他人と競ったり喋ったりは集中しているからいいよね。

今回は3日前に到着。
スタート地点からそれほど遠くない町で似たような景色を普段通りにサイクリング。
ロンドン郊外の丘陵地を気の向くままに。

イギリスは日本と同じ左側通行。多分多くの日本人サイクリストには都合よいだろう。でも車の平均時速は速いし日本のように歩道走ったり交通ルールもファジーな感じがないのでそう言った意味では「難しい」かも知れない。日本って意外にもルール(ぽい」ことはすごく厳しいけど、ルールに関しては知られてなかったり甘いところが多いように感じられる。

久しぶりのヨーロッパなので最初は走行感覚を思い出しつつ、そしてイギリスの景色を楽しみつつ。
知らない土地だと走行距離の割に疲れてくる。50kmぐらい走ったかな?と思っても40km弱だったり。なかなか50kmが遠い(笑)

今回のチャレンジには、再びマツダさんがサポートしてくださり、現地滞在中CX5をお借りすることができた。
何か自分の中で勘違いしていて、ディーゼル借りたつもりが実はガソリン車だった。
しかし普段ディーゼル車なので、ある意味その違いを楽しむことが出来たので良かったのかもしれない。
搭載されているナビがキット現地の純正だと思うのだが、ここに関しては日本のナビゲーションの方がはるかに使いやすかった。
もしかするとちゃんと把握していなかっただけかもしれないが・・・

ガソリン車の軽快なレスポンスが小刻みなアップダウンでは心地よくて、一瞬オレってイギリスに何しに来たんだっけ?なんて思うほどにドライブを楽しんでいた。
マツダさんには感謝感謝だ。


今回のLELは基本はセルフサポートでドロップバッグ1か所を利用する。
そして距離が伸びて獲得標高が増え・・・それに伴う対策もしなければいけない。

着替えは、前回のような連日雨嵐でなければ正直かなり楽だ。なぜなら着替え自体が少なくて済む。
極論だが、自分が耐えられるウェアの香り?でびしょびしょでなければなんとかなる。ホント結論的だが他人が「臭い」と言っても自分が認めなければ着替えは不要だ。
ドロップバッグにウェア1セット、薄手のベースレイヤーで走行するがメリノウール半袖はドロップバッグにもサドルバッグにも1枚ずつ用意しておいた。

 

昨今のライド事情で無視できないのはモバイルバッテリーだろう。
長きにわたってサポートしていただいているエレコムさんのモバイルバッテリーを使用していて、今回は新製品のネストアウトシリーズのモバイルバッテリー。
8000mAhのもので(原稿は10000mAhにアップグレードしている)防水・防塵というのがこのモデルのウリ。
バッグの中で浸水したりしてしまうと使えなくなる可能性がある。以前雨でバッグの中で浸水してしまっていたモバイルバッテリーを見て途方に暮れたことがあるので、今回はエレコムさんにお願いしてネストアウトシリーズの8000mAh、4つお願いした。
2つは持参、そして2つはドロップバッグだ。

エレコム モバイルバッテリー NESTOUT 12000mAh Type-C×1 / USB-A×2 【 防水・防塵・耐衝撃 IP67 】 アウトドア キャンプ グレー DE-NEST-12000GY

そしてキャットアイVOLT8002個で走行、予備バッテリーは2本持参で2本をドロップバッグ。
実は目標よりも10時間以上遅れたため(それも遅れた部分はナイトライドにかかった時間)ライト電池はほぼからっぽで残量はほぼなしだった。そのため最後のチェックポイントでは、ほぼ前走者がいない状態で到着して仮眠したので、5つのアイテムを同時に一人で充電させてもらえた。これによりライトは最後の晩は心置きなくミディアムモードで明るくして走ることができた。反省としてはバッテリーあと1個あっても良かったなと思った。

ドリンクは去年後半から愛用しているピンクイオンのスイート。
今回は猛暑のせいでドリンクは予想以上に使用し合計で30本分を越えた。
スポーツドリンクを20本も飲めば、味にも飽きるし内臓的にも限界が来るのだが、ピンクイオンはそれがない。LEL前の走り込みでもそれが確信できたので今回は多めに持ってきたが、あまりの暑さで実はフィニッシュ時ちょうど使い切った。
往路に15本ほど持参しドロップバッグに15本ほど入れておいた。
チェックポイントでもらう水はすべて硬水、というか水道水で、飲むと明らかに「硬い」のだが、ピンクイオンを入れるとなぜか飲みやすくなっていた。そして結局一度もお腹を下すこともなく。硬水のハンディを全く感じることなく走り切ることができた。

パンクがライドのトラブルダントツ1位だろう。
パンクは「絶対しない」という保証はない。
セルフサポートでドロップバッグが使えるから、バッグの中に予備チューブ2本だけ、何かあった時用に入れておいた。

サドルバッグにはメリノウール半袖、レインジャケット、薄手の長指グローブ、頭部を冷やさないように寒いとき用にキャップ、どこでも寝られるように枕、そしてウォッシュレットのないトイレ用におしりふき、などなど。
そして当然だが予備チューブに工具類。タイヤブートや結束バンド、ビニールテープ。
防水4.1リッターのバッグはパンパンで無茶苦茶重いわけではないが少々重い。最悪に備えてバンドでサドルとバッグは固定しておいた。

時差ぼけ対策で走りに出かける。

 

英国仕様のCX5はフェンダーの色が黒じゃなかった。
これって今度のCX60と一緒なのかな??

馬注意!

ドロップバッグに入れる荷物はこんな感じ。
モバイルバッテリーなど硬いものはウェアのポケットに入れて、それらを内側にしてグルグルと巻いてバッグの中へ。

 

ドロップバッグ
送り先事にバッグの色が違う。折り返しのダンファームリン用の色はグリーン。