2021 岡山1200 ① 1日目&2日目

久しぶりの1200kmブルべ。過去にPBPを含めてノンストップライドでクリアしているが、今回は途中ホテルに2泊して84時間で走り切るというプランニングで挑むことにした。

 

一番の理由は、ノンストップで2日間以上走り続けると明らかに身体が不調になり、数ヶ月もとに戻らない。

レースではないと言えど、パリ~ブレスト~パリ(以下PBP)などは、そのリスクを負っても自分の中には価値を感じられるが、国内の1200kmブルべなどは、寝ずに走るエクストリームなライドに何か意味が、価値がないのなら無理して行う必要はないように最近感じている。

 

今回のルートの特徴として、800km弱で尾道に到着してしまなみ海道を通って今治から松山へ。松山で折り返して再び尾道へ戻るのは1030kmほど。
これをうまく使えば尾道で同じホテルを2泊、と言うことは尾道でゆっくりと寝られて松山往復に関しては荷物をミニマムにして走行できる。
そしてそれを行うにはどうしたらいいか・・・そこが今回のプランニングの肝の部分となった。


そしてホテルに宿泊するのだから朝食はいただきたい。となってくるとベストは20時ごろにチェックインで朝7時過ぎ、朝食後に出発。スタート朝4時で翌日の晩8時、40時間後に800km走る必要がある。それもグロスで。


0km~800km尾道までのミッションをまとめると
●PC1ローソン 昼食
●大山のチェックポイントを気温が下がる1時までには通過
●米子~境港間で仮眠2時間
●出雲のすき家で直食
●道の駅奥出雲おろちループで食事
新尾道のラーメン屋で夕食
●チェックインは20時目安で、洗濯をしてから寝る

40時間で800km。グロスで20km/h
よく速いから、と言われるのだが、速く走るため、速く走ることでできることの幅が広がるからそのために練習しているのであって、プロを引退して10年以上経過しても相変わらず速いなんて思わないで欲しい。
考えられるいろいろな選択肢は思いつく。それをするために何ができて何ができないのか。行うために何が更に必要なのか。それを整理してそのミッションを遂行するためのレベルにするだけの話。そこは簡単だ。できるかどうかは二の次だが、まったくできないことを計画すると、すべてが、安全ということすらも崩れ去っていく。

 

前泊代を浮かせるべく?在来線にて移動。たまにはゆっくりと時間をかけての移動も悪くない。元々鉄道の旅も好きだし、車窓からの景色がまた次に訪れたい景色となってくれることもある。

 

スタートは4時半。都会と違って複数の人が朝?4時に早島駅の前にいるということでどうも新聞配達の人に警察通報されたようで、4時半のスタート前にパトカーが駅前にきて主催者は事情説明におわれていた。

走り出して30分もすればライトの光が少なくても走れるほどに明るくなり始める。瀬戸大橋から児島湖を通って牛窓へ。
牛窓は出生地でもある。初めて浮き輪なしで泳げるようになった西浦海水浴場や小学生の夏休み、毎日遊んでいた牛窓の町やおじいちゃんの自転車を借りて登ったオリーブ園の坂、何度走っても昔の記憶がよみがえる。

前島探検!って言って船で渡って走り出してすぐにハンガーノックになったこともあったなぁ・・・
小豆島がすごく近く感じるほど天気は良い。湿度は相当低そう。こういう時はボトルの水分、日焼け対策、そして目の紫外線対策に気を配っている。
日焼けしているから日焼け対策をしていないと思われがちだが、日焼け止めクリームを使って紫外線の攻撃には対抗している(つもりだ)。そして東や南を向いている時間は、レーサーキャップのつばを使って太陽光を遮る。そしてアイウェアも無駄には外さない。結局裸眼の時間が伸びると疲れる。もちろん夕方以降朝までは話は別だが。

今回も山本くんと一緒に走り始める。彼にとっては初めての1200kmだ。確実に完走したいという彼の思惑と、確実に完走はもちろん安全に走り切るオレのスタイルで利害一致、岡山入りする前から一緒に走ろうと話していた。

彼は15分前のスタートだったのでなかなか追いつかなかったが、宇野駅前で追いついた。
その後も知り合いたちを吸収?し牛窓のチェックポイント。そしてここからPCのローソンまでは予定ではやや追い風、太陽は背後、少し登ってはいるものの信号も少ないのでここでの走行が今後のペース配分の指標になるはずだ。
先行していた片倉くんに合流。今日は倉吉で泊まるらしい。戸倉峠を越えてから彼が先頭に出て牽くとスピードが上がり、まるで魔法の絨毯。SR600でもかなり速いというのは聞いていたが噂通り。油断していると絨毯から落ちそうだった。おかげで少しスピードが中だるみしそうなところで助かり、これで蒜山で外で食べるコンビニディナー、何とか食べることができた。ちなみに蒜山の気温は10℃。

倉吉からは蒜山高原へ。福本峠はダラダラと長い。蒜山高原には比較的早い19時45分頃に着いたが、思いのほか寒い。スタートからここまで、基本アームカバー無しで走れてきたが蒜山高原ではアームそしてレッグウォーマーも着用。ここからさらに下がるだろうし大山は大丈夫か?と不安がよぎる。
内海峠を越えて岡山から鳥取へ。

大山へと向かうが、初日メインの大山への激坂区間では気温計は15℃!まるで温風を浴びているような感覚でアームウォーマーはずらさないと汗まみれ。蒜山にだけ冷気が流れ込んでいるのか。実際大山でも気温は12℃ほどあった。


大山のチェックポイントには23時半ごろには到着。予想よりも1時間半ほど早い。
下り切ると気温は10℃強。なぜか上の方が暖かい。と言うことは朝方は6℃ぐらいまで下がる可能性もあるのか。そうなると寝るなら早めに寝て、朝方の一番冷え込む時間は体を動かしておきたい。
そしてもうひとつ。暗い時間に寝て朝方の明るい時間を走ることで暗い時間を走る時間を結果的に削れる。
尾道でライトの充電も可能ではあるもののフル充電できるのかはわからない。可能な限りバッテリー使用はミニマムにしておきたい。

米子からなかなか風よけやトイレなど好条件の「宿」はなく、境港の港近くの公園に決定。風よけを使いMARUTOのEMG輪行袋を使ってさっさと睡眠。まぁブルべでの十八番となってきた野宿(笑)
気温は12℃ほどで爆睡だったが、1時間過ぎてから少し風が出てきて肌寒かったことで何度か目が覚めた。どうも風の動きが変わったか。
1時頃に寝て3時に起床。ルート上のコンビニで朝ごはんにしてベタ踏み坂を暗いうちに通過。十六島を通過して出雲大社へ。出雲のすき家には9時50分ごろ到着。予定よりは20~30分遅いかなと言うスケジュールで、許容範囲だ。

出雲から雲南そして奥出雲と、定番?の向かい風。それでも時折追い風になるのはなんだか変。違和感を感じる。おろちループを登り切って道の駅に到着した時には、やや湿度が高く気温が低い。これは雨が降るか気温が急降下する奴か、と思いつつ暖かいそばを注文して流し込む。
庄原まで来ると気温は問題ない。三次のチェックポイントのあとの農道アップダウン区間は、ここは選手としての経験が活きる。下りでちゃんと勢いをつけて登りに繋げる。
上下から府中のダウンヒルは思いのほか長かった。当初の予定よりタイムスケジュール的にはやや遅れているか、21時にホテル到着予定だったが一気に巻いた。御調から尾道の峠を下ると2回目のナイトラン。まだ19時。そして新尾道駅前のチェックしておいたラーメン屋で夕食。約40時間の頑張りの〆に尾道ラーメンはいいじゃないか。そして評判通りのラーメンと餃子のおいしさだった。また訪れたい。

ホテルにチェックインしさっさと洗濯。22時ごろには洗濯を干し終えてそのまま爆睡モードに突入していた。

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今回の遠征は輪行で。
輪行袋はMARUTOさんのRK03
ディスクブレ-キ対応の新製品だが、もちろんキャリパーブレーキで使っても問題ない。
RK02の気になっていた点が改良されているようで使い勝手は良かった。

 

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目的地のJR早島駅
素敵な無人駅(笑)

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朝4時半、澤田代表と山口副代表に見送られてスタート。

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瀬戸大橋が見えてきたころには夜はあけて明るい

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閑谷学校
岡山ブルべで通るようになって、車で通るときに何度か訪れた。

f:id:masahikomifune2:20210428163104j:plain鳥取市を通過。暗くなる前に1mでも向こうへ


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魔法の絨毯こと片倉くんと中央は今回の1200の旅のお供、山本くん

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蒜山でのディナー
スパゲッティとパンとプリンとコーヒー。&水
明日はちゃんと人道的な、ジェントルマンな食事にしたいものだ。

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朝に到着したチェックポイントのさくら公園

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さくら公園からの海岸沿いは、素晴らしい景色

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松枝から宍道湖

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そして到着した十六島(うっぷるい)
岡山名物「チェックポイントは丘の上」

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そろそろパワーが切れかけてからの出雲大社
パワーは得られたのだろうか・・・

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沢田代表の「今回あまり坂がないけぇ!」という言葉が脳内リピート
「どこがやねん・・・」

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道の駅奥出雲おろちループで蕎麦
この後、空気が冷たくポツ、ポツと
しかし降り続けることはなく下界へ。こりゃ後続はここは地獄だろうなぁ。

 

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おろちループ
何度来ても素晴らしい景色

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分水嶺
ここからいよいよ広島県へ!

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三次のコンビニでは意外と天気回復。

さて、あと80kmほど。

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19時15分ごろ新尾道駅近くのラーメン屋へ
ここは前から行ってみたかった場所。
王道的な味の尾道ラーメン。そして餃子。サイコーでした。