関西シクロクロス 向山、まさか?の優勝 

脚が攣った?
忘れろ!手で漕げ!!
そんなことをアマチュア時代の92年、オランダで所属していたチームの監督に怒鳴られた経験がある。

クラシックレースで、え?もしやオレすごいことしてない??
と、当時オランダのアマチュアトップライダーたちと先頭グループを形成。ラスト40kmで逃げを打ち・・・おいおい、すげぇメンバーやん!と思っていたら、残り10㎞ほどで両脚が攣って脱落。
すぐにチームカーが横にへばりつき監督が身を乗り出して前出のように怒鳴りだした。
それからいつも思う。
そう、脚が動かなかったら使えるものを使え、と。

 


関西シクロクロス向山、さすがにブルべ600㎞を完走した直後、完走したてホヤホヤでシクロクロスをシングルで走り切れる自信は正直なかった。残り200kmは爆風で脚は重い感じに。
希望が丘でもブルべの疲れで内臓がフレッシュじゃないぞう状態(おっとすべった)
ペダルに石が入り込むトラブルはあったものの10位とイメージはよくない。まずは20位以内でゴールして、堺でいい位置でスタート出来ればいいな、というぐらいのモチベーションだった。
会場に着いてからもなんだか盛り上がらないし、たぶん目を閉じたら楽勝で夕方まで寝ちゃいそうな身体のスカンスカンぐあい。

会場に到着して少しだけウォーミングアップライド。そしてコース試走。
向山のコース設計もかかわってきたので何となくは理解している。
シクロクロスの基本は「地形を利用する」こと。
ちゃんとその地形を利用できないようなコースでレースをすると、はっきり言ってつまらない。
向山は地形をしっかりと利用しているし、そこを理解しないと一つ一つのセクションが繋がらない。
正直なところそれまでのコースは今一歩足りないなぁと感じる部分があったけれど,今年の関西シクロクロスのコースの中ではかなり改善されているように感じられる。

速く走れるのはそんなコースプロフィールのおかげか。玄人受けするところがあるのかもしれない。
昔ほどパワーで押しきれないということもあるのかも知れないが、その地形のちょっとしたギャップなどを上手くクリアし、すべてが推進力になっていくに感じられれば、スピードはそれほど落ちないコースだ。

スタートは3列目。今シーズンは本当にこのレーンでスタートするまで長かった。しかしこのコースはスタート後に大きなギャップをこなしながらコーナーに入るという難しいオープニングだ。
スタートからなかなかの殺気立ち具合。やべぇ!スイッチ入る!!面白すぎ!!
やっぱレースはこれでなくっちゃ。
速いものが正義、強いものが正義。
そんな理にかなっていないような世界がレースだ。

最初の右ターンで全体の動きが止まって見えた。そこでうまく隙間を泳ぐ。コーナーを抜けた時にはなんとかシングルあたりか。

走り出してみると、昨日まで走っていた600kmブルべの疲れはそれほどない。
いや、ある。なんとなく血液が酸素を運搬している実感がないし、コーナー直後の加速も伸びを感じない。
そんな時こそ
今あるものを使う、だ。

全身を使って推進力に変えていく。タイヤのトラクションを意識して曲げる・スライドさせていく。


2人が先行して抜け出して3位以下がパック。コーナーなどで後ろを見ると5人ほど。
コースは平均して狭いところが多く抜きどころがそんなにたくさんあるわけじゃないし、上位陣はスピードも上がっているし走るラインがほぼ決まってきて抜きにくい。
そこで抜けるポイントを探りつつ徐々に位置を上げていく。

3位パックから2位に合流。先頭との距離を把握して・・・
そこで気付いた。いま乳酸と疲労で動かない脚ではほとんど漕いでいないということを。
少し気持ちにゆとりができたところで先頭へとジャンプ。
そして得意とするパートでペースアップし先頭へ。
残り2周、脚にも心肺機能的にも余裕がないのは気付いている。だからこその全身を使って推進力に。
最終周の登りをクリアしてしまえば、あとは得意のダウンヒルとコーナー区間
久しぶりに優勝することができました。

 

このまま来週末の関西シクロクロス堺、と前日のスクール。
最近思うのだけど、試走時間を走るカテゴリーによって試走時間を分けてしまったがために、特に下位カテゴリーの人たちで試走の意味を理解していない人が多い気がする。
試走とはレースで速く走るため・安全に走るための手段。そこにつながらないということは試走じゃない。
可能なら一緒に試走をして伝えられることは伝えたいところだ。
前日スクールはそんな当日に伝えられないことも伝えるようにしたいと思っているので、なるべく前日の試走を兼ねてスクールにも顔を出してほしいものだ。

そして最後だが、向山では久しぶりに?たくさんの声援をいただきました。
応援してくださった皆さん、どうもありがとうございました。

 

 

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