1001ミリアイタリア 其の肆

イタリアの歴史は戦争の歴史
と言ってもムッソリーニとかじゃなくてもっともっと古い話。

イタリア大戦争とかまでを最低でも知っていると、今回のルート上のポイントなんかはツボること間違いないのだが。きっと後半最後の町であるパヴィアなんかに着こうものなら、凛々しくフィニッシュまで進軍している気持ちになったかもしれない。

が、そういうオレもそこまでイタリアの歴史に精通しているわけではないしイタリアの土地勘もない。

ないどころか正確に言うと、ローマとミラノとサンレモぐらいしか正確な位置は知らない。

 

スタートから他力本願で最初のステージをクリアするはずがいきなり個人タイムトライアルとなった。

スタートのパラビアーゴ(でいいのかな?発音怪しいのでご了承を。PARABIAGO)からカステッラニア(CASTELLANIA)までの112km。

おいおい、こんな距離をいきなり個人タイムトライアルって!と頑張って走っているとポロポロと前から何人か。でもそういう人たちは別に速く走るつもりではないし、一緒に協力して前を目指しましょう!って感じでもない。

中にはスタート早々寝落ちしそうになっている人もいる。

するとバックミラー越しに徐々にライトが近づいてくる。射程距離と思える距離に入った途端ペースが上がっているので意識されているのだろうか、そして信号で追いつかれる。

その後基本ペースが似ていたので並走で喋り始める。

リトアニアからの参加者でそこそこ若く、聞いてみると可能なら20日にフィニッシュしたい、と。名前は・・・難解すぎて2回聞いてわからなかったが、多分何回聞きなおしてもわからないと思ったので、「ヘイ、ユー」と若いので「リトアニアンボーイ」に統一した。

ちなみに今回は21日の昼フィニッシュのスケジュールで動いている。なのでこちらがちょっと我慢すれば一緒に走れる感じ。
しかしゆるい登り区間で「先に行くわ」とすげぇペースアップで後ろにつけることなくはるか彼方に行ってしまった。へ、ヘイ、ユー!(速すぎ)

しかし彼のバックライトがずっと見えるぐらいの距離なので、ギャップを開けるまでは威勢よく行ったが、実際は同じようなスピード域ということか。

実際ファストラン的なスタイルと語っていたが、PBPは70時間台、走力以外のバランスはまだまだなのかもしれない。

 

なんだか汗だくになりながらステージ1終了。コッピの像がありゆっくり写真撮ったりしたかったが、超カオスな感じだったしさっさとスタート、次はステージ2、カゼッラへ(CASELLA)

いきなりのダウンヒルは真っ暗闇でテクニカル。初めてのイタリアでちょっとビビっていたが、逆に遅い時間に町を出てしまえば基本的には誰も歩いていたりしないから安全。ここは53km。次のチェックポイントで少し何か食べたいな。
そしてフィニッシュするとチェックポイントはカオス。自転車を停める場所も定められない。

目の前を見ると鈴木さん。おお!会えてよかった。水と少しだけ食べ物を補給して、このカオスから脱出。なんせ参加者500人ほどと考えて、ここまでで多分150~200人ぐらいなので、突き抜けるのはあと2~3ステージ。そこまで行けば自分のペースで補給が出来る。

時差ぼけもあるし眠くなったらさっさと軽く寝るつもりでいたが、なんとか朝までは身体は動きそうだ。そうしたら2日目は少し早めに寝てもいい。無理しない範囲で先へ進む。

ステージ3、ディヴァ・マリーナ(Deiva Marina)までの92km。ここから難易度がやや高い。多分途中にある峠を加味しての事だろうか。しばらく登り基調のルートを進んでいくと海岸沿いまで一気に下る。ちょうどお腹が空いたなぁと思っていたタイミングで町のパン屋さんの前に人が並んでいたの「もう少しで開くのかな」と思ったが、一体何時に開くのかも情報はないし、ちょうどイタリア人?数人のグループとパックになって心地よいので、峠越えれば食べ物があるからと我慢。まだ朝5時ぐらい、あたりは暗い。

そして町を外れて峠に向かうポイントで、先頭を牽いていたイタリア人たちはルートをそれていく。間違っているのでは?と声をかけるも気づかないのか知っていてそれているのか、そのまま突き抜けていってしまった。

登りで今度はスペイン人たちのグループに合流。

陽気なのはいいが、登りでみんなどんどんテンションが上がっていきペースアップ。そんな気毛頭なかったのだが、結局気がついたらみんな千切れ、イーブンペースで登っていると、千切れた連中が躍起になって、ゾンビのようにライトが近づいてくる。

おいおい、こいつらホントに残り1400kmほどあるのにこんな走りでええのか??ちょっとラテンなやつらとは性格も走りのスタイルも合わないな・・・とラスト1kmで抜かれて、というかこっちもテンポで登っているので抜かれる前提だが。そして頂上からは一人を除いて頂上で後続を待っていたが、その一人がなかなかかっ飛ばしていく。

全く道もわからないので一定距離を開けてそのまま追従しステージフィニッシュへ。

ここまで来ると少しだけチェックポイントも落ち着いている。

フィニッシュまで2㎞ほど次のステージと重複しているのですれ違った人数を考えても前は150人ほどだろうか。そして夜明け前ということでひと眠りしている人も見受けられる。

お腹が空いたので食べ物を口に放り込み、椅子に座って一度シューズを脱いで小休止。

回りで寝ている人を見ているとこちらも寝たいなぁという願望は湧いてくるが、眠たいかというとそうでもない。

少し考えたがやっぱり先へ進もう、となってステージ4へ突入する。

ステージ4はゴルフィリアノ(GORFILIANO)までの116km、ここは2500m以上の高低差の難所ステージだ。

 

せっかく一緒に走っていたが、この後彼方に突き抜けてしまった。
ホテルを取っていたのか、どこかのパン屋さんにいくんだったか、はたまたサポートメンバーと落ち合うのだったのか・・・すべてが謎

 

ナイトライドは睡魔に包まれて苦しかったが、太陽が昇るとテンションも上がりひとまず睡魔から解放される。怖いのは太陽が沈んだ直後、まだ時間で言うと走れそうな時間だけど一気に疲労と睡魔に覆いかぶされる。そこで無理をしても仕方ないから、眠くなったら休もう、という作戦。というか作戦じゃないな、ただの本能(笑)