前回は荷物がほぼない状態で走り、PCでサポートしてもらっていたので今回は荷物の重さがPCへの遅延、そして消耗度合いに影響している。まぁ当然なのだが。
予定していた通過時間はことごとく遅れている。しかし全体で言うと想定よりもかなり良く、全体で10番前後。数人を除いてフルサポートはないのだと思う。ピンポイントのサポートはあるのだろうか、PCで何台か車は停まっている。
仮眠所は野宿とは違う。油断しているとひたすら寝れそうだ。
ふと時計を見ると2時間ほど睡眠。そのまま起きて朝食へ。
日は登っているがまだ気温は低い。少し寒く感じるが待つ理由はない。食べ終わったらすぐに走り出す。
エディンバラは緑も多く素晴らしい町だ。日本だと大都市ではないがスコットランドでは大都市と言っていいだろう。それでも自転車道や車道の整備で日本とは比べ物にならないほど走りやすく、すべてがゆったりと感じる。
エディンバラ郊外は前回と同じく険しい登り。しかし今年は風向き的に追い風で前回ほどの厳しさはない。前回は漕いでもずり落ちていたように感じたから。
そして前回はまだここまで寝ずに走ったので体力的にも底が見えていた。そう考えるとかなりマシだ。前回は5%ほどの登りで時速5キロとかで精神的にもやられていた。
復路は往路と少しルートが変わる。多分だが往路とPCなどが被らないようにするためか。実際PBPで被る区間は戦争に行ったことはないがはっきりと言い切れる。これは戦場だと・・・前回も思ったが復路の方が個人的に好きだ。
ブランプトンからは往路と同じ。しかし前から来るライダーはいない。今いるとしたら完全にタイムアウトペース。本当に先頭の何人かだけが最終走者とスライドしているのかもしれないが、さすがに先頭スタートから7時間遅れてスタートしているので、いくらそこそこ速いと言っても会うことはなさそうだ。
PCで先に到着しているバイクの台数が明らかに少ない。そしてPCのボランティアスタッフの対応が明らかに良い。
それまでも最高の笑顔で対応してくれ、疲れてもイライラすることなんてなかったが。食事をオーダーして持っていかなくても席まで運んでくれたり、飲み物が無くなるとわざわざ持ってきてくれる。そんなホスピタリティが危険なのは、居心地が良すぎてこのまま長く滞在したい気持ちになってしまう(笑)
復路しかないインナーレイザンのPCではそんな最高のおもてなしだったが、先客で女性ランドヌーズが。風貌や装備からしてもファーストランに100%振っているし同行者の男性(ペースメーカー?)がいることから、多分女性の先頭だろうか。PBPもLELもレースではないが、自分と戦う、タイムと戦う、結果的に誰かと間接的と言えど競っている人の割合が、前に行くほど増えてくる。
ここまで来るとみんなシンプルにタイムを気にしているし協力しあえど前でフィニッシュしたい願望が前面にでているから、ある意味清々しい。目が合うと明らかにアジア人でこんな前に??って腑に落ちない態度なのがこちらは楽しい。フフフフ
とにかくブランプトンのPCまで行って夕食かな。疲労は確実に蓄積している。昼間でも体から疲労、そして少し睡魔を感じる。自分でも何か考えているときストーリーの整合性がおかしい。
まだ「おかしい」と感じるということは正常な感覚の方が勝っている証拠。その間にちゃんとした場所に到着したい。
ブランプトンまでのアップダウン、なんだか調子が上がってきたのか80km以上を3時間かからずに走破。
おかげで夕食にも早いし寝るなんてもったいな過ぎるし、寝てしまうと半日ぐらい予定が変わるリズム。このまま110kmほど先まで、峠はあるが突き抜けよう。むしろアップダウンを夜明け前とかのほうがきつい。
日が長いとはいえ、徐々に気温が下がりだす。そして激坂の峠を止まりそうになりながら登り切り、下りで一気に気温急降下で気分はツンドラ。これがイギリス丘陵地帯の怖いところ。8月なのにまるで瞬間冷凍かのように気温も10℃を切っているようだ。下りで集中できず一旦立ち止まって防寒具をサドルバッグから引っ張り出そうと自転車を寝かせていると、対向車が「大丈夫か!!」と有事の如く興奮した太い声で声をかけられた。
事情を説明したら、「そうか、気をつけてな」と言ってさっきより太くない声で言われて過ぎ去ったが、日本だったら多分倒れていても放置だろうなぁと思うと、こんなきつい坂サイテーだな!もう来たくないわ!と思っていたが、嗚呼イギリス来てよかったわ、なんて思っている自分がいる。
最大20%ぐらいの坂を登っていると夕焼けがきれいすぎて走りに集中できない。かといって立ち止まって再スタートで切る自信もない。
序盤でRエンドが曲がり、ロー側2枚は使わないようにしている。なのでインナー39Tでローは25T。
しかしむっちゃ赤くきれいだったので止まって写真や動画撮影。しかし1分ごとに気温がヤバい。下りは全身が震えてまっすぐ下れない。そして体温奪われ過ぎて睡魔が強烈になってくる。緩い下りだと集中できないから寝てしまいそうだ。民家があるにもかかわらず、叫びながら下っていく。きっと家の人は驚いただろう・・・
バーナードキャッスル手前20kmほどでカフェを発見しコーヒータイム。
22時半ぐらい。カフェと言うよりもバールか。カウンターでは何人かのオッサンがビールを飲んでいた。
確か前回この辺りに小さな町があり、通り沿いにカフェらしきものがあったような・・・と覚えていた。コーヒーを飲んだら少し頭が回復。バーナードキャッスルに到着は23時36分。
ひとまず食事。どうも体のエネルギーがないのか、食べると回復してきた。
0時過ぎ、さてどうするか・・・寝るか?走るか??
30分ほどだけ休憩してそのまま走ることにした。次のマルトンまでは70キロ弱。3時間ちょっとだとして一番寒い時間は避けられるはず。ちょっと博打か??
理想は2~3時から寝るのが理想。そう考えると進むほうがいいかな・・・
コーヒーを飲んでもう一度頭に刺激を入れる。そして闇の中、次のマルトンを目指して進み始める。
しかし、進みだして10㎞ほどで、やっぱり進まなければよかった、と後悔。一気にとんでもなく深い睡魔が頭の上から重く乗っかってきた・・・
エディンバラが近づく。フォース橋を近くで見るとかなり巨大で長い。
今回はかなりたくさんのキャトルグリッドを通過した
食事
食欲はあるようで、ない
ブロンプトンまで、ちょうどいいパックに合流。
17%の看板。この先、さらに反り返っているので20%以上確実。
夕焼けが迫ってくる
と同時に、寒い・・・8月なのに
最高の夕焼けだった
眠い
途中カフェ?バール?でコーヒーを注文
バーナードキャッスルが見えてきた
バーナードキャッスルのPCで食事