四国一周 2周目 ステージ5 四万十~徳島 国道439号編 ②大正~本山

酷道と呼ばれるような車の離合すらままならない道が、昔は利便性を求めて幅員拡張して峠はトンネルを開通させ、今ではすっかり見える景色すら変わってしまった。
便利・快適を手に入れ、そして今なぜか国道は人々を魅了している。
そんな時代の進む方向と反対を向く気持ち。酷道は人々の中に時代とともに蓄積していくノスタルジーなものの象徴なのかもしれない。

道の駅四万十大正から少しだけ国道381号と重複し、再び439号へ。あとから思ったのだが、多分土佐大正駅前の道路が旧道だったのだろうか。
この時はまだ旧道を嗅ぎ分ける能力が磨かれていなかったが、このライドが終焉を迎えるときにはかなり精度が高まっていたことを自分でも感じ取れていた。

  • 法面のカーブ
  • 昭和な家屋の玄関が並ぶ方が旧道
  • ガソリンスタンド
  • カーブミラー
  • 古い橋は川に対してほぼ直角で、今の橋は伸びても最短を通す

このあたりが旧道を見分けるポイントだろうか。

 

津賀ダムから下津井めがね橋を経由して国道197号と合流する区間は、地図を見ているとかなり曲がりくねっていて、もしかして峠道か?と身構えたが、実際は川の流れに沿っているだけなのでほとんど登りという感じではない。むしろ全区間の中で最も穏やかに感じられた区間だ。ほぼ全区間がバイパス化されていないが唯一中平トンネルの上を通る峠道が旧道のようだ。こちらはそんな大きな峠ではなく、地形的にどうしても川沿いをトレースできなかったのだろう。県道26号と合流するあたりには小さな集落がある。

国道197号と合流する津野町はここまで走ってきた感覚で言うとちょっとした町。そしてここからは矢筈峠?矢筈トンネルへと進む。
始めて走った時からこの矢筈トンネルがあり、津野からトンネルまではどんどん道が整備されていて現段階でも拡張工事が行われていた。トンネル自体はそれほど狭くないし新たトンネルを掘ることはない可能性もあるから道路は拡張してトンネルはそのままという可能性もあるのだろう。
トンネルから国道33号合流までは、こんなに登ったっけ?というほど下っていく。下っている最中にも旧道がいくつか存在し、トンネルはすべて旧道が横に存在し、長者の町は中心にガソリンスタンドがあることでもここが旧道であったことは間違いない。

国道33号に合流すると、ここまでの交通量が嘘のように交通量が増える。
高知と松山を結ぶ二桁国道。本州の二桁国道に比べると十分に酷道と思える区間も存在するが、国道439号を走り続けているとまるでバイパスか高規格道路かのようにすら感じる。
仁淀川の町には中村以来となるコンビニがあるのでここは無視できない。ブルべでもルートから300mそれることは誤差の範囲で必ず立ち寄っている。
今回は本山の町が明るい時間、お店の開いている時間に辿り着けるので、そこまでは最小限の食事でいけるだろうと軽めの食事にとどめる。
そしてここから今回走りたかった大峠トンネル旧道、郷ノ峰トンネルの旧道区間へと進んでいく。

国道439号仁淀川から東へ進んでいくと、酷道と聞いているわりに普通の道路やん!と思っていたがそれは大峠バイパス。旧道はこの上にある。
比較的道幅のある旧道で峠を回避してトンネルを作ったほかの区間と比べるともったいない気持ちが強くなる。しかし439号の真ん中あたりは他の国道との接続もあり、交通量を考えると上手く繋がるようにしたほうが良かったのだろう。
国道32号や33号、そして国道194号という四国の主要国道との接続を考えると、四国の中央部分にあたる国道439号酷道区間の整備は必須だったのだろうか。

 

大峠を越えて油断していたが、実は郷の峰峠の方がはるかに国道439号テイストが強く残っている旧道と言えるだろう。はっきり言うと

車の離合は、無理!

困難、ではなく
無理!

それでも走りたい人は
窓を開けて注意深く音を聞く、徐行して少しでも退避できそうなところがあればそこまではバックすることもあると覚悟して走る。

頂上では県道6号とクロスしているので、車が来ないとは言えない。

体感的には、大峠の3倍ぐらい満足度が高かった。

 

本山付近はここまで走ってきた酷道区間からは想像もできないほど普通の町。夕方だと買い物に出かける車が道を行き交う。
今回のミッションの一つでもあったのが、本山で普通にお店に入って晩御飯を食べること。
ちょっと検索していると気になるお店があったので立ち寄ってみた。

本山の和風レストラン 味楽ってところだが、ネットで見ていると「唐揚げが旨い」と。そりゃ食べないと。唐揚げ好きとしては無視できない。

地元のお客さんが数人。ちょっと自転車乗りで地元の常連客の輪の中で浮いていたがまぁきっと他にも立ち寄ったサイクリストが過去にいるはず。少し食事が出てくるのは遅かったが、確かに美味しかった。
そして出てすぐのコンビニで補給食を大量購入。ここからは川井峠を越えるまで食べ物は何も買えない。
おっと、コンビニで油断していて旧道をトレースし損ねてしまった・・・(;'∀')

どうも旧道はコンビニに面した奥の道だったようだ・・・

四万十川とほんの少しだけ並走。このあと439号は支流の梼原川沿いへそれていく。

 

津賀ダム

ダムカードはここではもらえない。事後申請。

下津井めがね橋

 

旧道にそれると、きっとカーブミラーがあったであろう支柱が残っていた。

旧道はほとんど使われていないのか路面に苔が生えていた。

 

道なりと思っていると、枝道のような箇所が何か所かやってくる。

大峠旧道には、まだ酷道439号のおむすびが残っている。

仁淀川

矢筈トンネルを越える。

旧道区間を通ると、仁淀川町ではなく仁淀村のままだった。

 

仁淀川のコンビニは外せない。

補給して、今回のメインである大峠を目指す。

 

国道439号は、年がら年中崩落の恐れなのだ(笑)

 

大峠の下にある現道、大峠バイパス、新大峠トンネルをそれて旧道へ。

 

旧道の大峠トンネルへ

大峠トンネルは、思っていたよりもはるかに走りやすく明るい。

 

下り切った国道194号重複区間の旧道では、朽ちかけている国道194号おむすびを発見。

 

194号と別れ、本山を目指す。
ここからは郷の峰峠を目指す。

まさに旧道のたたずまい。しびれる!!
しかしここを夜中に抜ける車がいたとしたら、抜ける側も抜けられる側もしんどかったろうなぁ。

 

郷の峰トンネルまでのバイパス区間からそれる必要がないからか、旧道区間の劣化度合いが今までで一番激しかった。

って、これもう道じゃないやろ!

峠の頂上を目指す。車一台分の道が続き、国道なのに大型車は通れなかったんだろうと推測。

郷の峰峠
道路情報の看板やら、国道だったのだろうということは伝わってくる。

本山町で夕食
お目当ての唐揚げ定食 むっちゃおいしかった。