四国一周 2周目 ステージ5 四万十~徳島 国道439号編 ①四万十~大正

それは必然、もしかするとオレがサドルへと跨った時、ここに来ることは決まっていたのかもしれない。

そんなアホな?みたいなストーリーに入っていったのは、国道439号を端から端まで走りたい、それも可能な限り旧道で、って考えて、そしてそれを今回実行へと移した。
オレも気がついたら50歳を越えているし、昔のように速く走ることもできなくなっている。もしかすると急に病に伏すかもしれない。実際オレたちの年代になると何が起こっても「不意」ではなく「必然」の範囲の気がしてくる。
だったら不意に走れなくなる前に走ってしまおうホトトギスよろしく、仕事も何もない週末を狙って四国へと向かった。

 

キレイなバイパス、長いトンネルを避けてこれから少しずつ自然へと戻るであろう旧道を走っているとき、その景色を見ているときにふと、ここに来ることが必然であったかのような気持ちになりながら、昔は苦労して越えていた酷道ヨサクを今、誰にも会わず、そして自分の発する以外の音のない世界で感じたのだった。


国道439号。通称“酷道ヨサク”キングオブ酷道ともいえるこの国道は、実は国道として制定されたのはそれほど古くない。
昭和57年、1982年。オレが自転車を始めた頃と一致する。
そしてその約20年後、今から20年前だが高知国体開催に伴い一気にバイパス化が進み、酷道区間が徐々に減りつつある。
とはいってもまだまだ酷道と呼ばれる区間は相当残っており、今回走ってみると半分以上はクルマの離合が困難な道路で、旧道で言えば4分の3ぐらいはあったと思う。
道が狭くて心休まることなく・・・と言いたいが、なぜか今回は逆だった。
クルマの心配なんかしなくていいし(狭くて離合できないから、対向車もスピードが遅い)そしてなんだが中学生の頃サイクリングをしていた頃の各地の国道サイズ、今でいうところの酷道。そう、昔のサイクリングと言えばかなりの割合で酷道がデフォルトだった。オレのホームコースの国道307号宇治田原~信楽や、国道422号の伊賀上野~大津大石とか、今から考えれば国道439号に負けない酷道だった。

 

今回のチャレンジのオープニングは杓子峠四万十市から大正へと抜ける峠で、15kmぐらい手前からすでに大型車通行止め、普通車も離合困難の看板が頻繁に見受けられる。
これ絶対定食屋とかで
お客さん、大盛りのごはん多いですけどいいですか?
とお店のおかみさんがババァ心、じゃなくて老婆心で教えてくれてるのに、ゴルゴ13とか読みながら目も合わさずに
はい
と心の中で、さっさと持ってこいや!
みたいな態度を取っていて、ホントに出てきたらあまりのごはんの多さに土下座したい気持ちになるやつだな。

え?例えが長い??京都市内の某定食屋とか飯山の某定食屋の唐揚げとか・・・ってそれオレやん!もうゴルゴ13は読まない、決めた。
そんな杓子峠、さすがに看板見て、オレ行けるし!みたいな大型車も来ないので(来たら多分廃車になるかも)自分の走行音と鳥のさえずり、に包まれてのライドだった。
思っていたよりも走りやすいと思えたのは交通量だけじゃなく、意外と勾配もゆるかったことがある。
幅員的には酷道だが、峠の勾配や長さから見たら難易度はそれほど高くなく、むしろ酷道デビューしたいなんて人にはおススメなのかもしれない。ってそんな人がいるのかどうか知らないが・・・


杓子峠を下るとそこには四万十川が。なんだかこのメリハリが素晴らしい。さすが四国!
そしていったん国道381号と重複するのだが、この交差するところにあるのが道の駅四万十大正。

実はゴールデンウィークの1000kmブルべで仮眠していた場所。日中見ると寝ていたベンチに地元のオッサンなのかタバコ吸いながらくつろいでいる。
まだ10時台に到着したのでお昼ごはんにはまだ早い。実は営業していてご飯も食べれるのだが、ホテルで7時過ぎまで食べていたし、お腹もそんなにすいていない。
なので餅を購入して食べたのだが、無茶苦茶美味しかった。
さてここからは峠ではないが津野ダムを経由して津野町へと進んでいく。

 

朝8時スタート。
実は四国一周2周目のライドも兼ねている。

おむすびマーク。
しかしこのキレイな道とはマッチしない。

走だぜ!ヨサクといえばこれだぜ!!
ちなみに旧道

旧同区間には廃屋が

この看板はおかしい
大型通行注意っていうけど、3mほどでコーナーとか・・・それ脱輪して奈落の底だろ!
それにこの看板あるところ、既に手遅れだし・・・

狭い右側の道がヨサク・・・って、看板なく道のペイントだけだし!

杓子峠を登っていると、ふとこれは旧道かと思うが、実はこれが現道。
心地よい緩やかな勾配

杓子峠を登り切ると、そこは四万十町
ここまでは四万十市・・・ややこしい。
もし四万十町が市政になったらどうするんだろ。

 

下り切ると道の駅

 

この餅、無茶苦茶美味かった。
オレが英国王だったら絶対「サー(SIR)」の称号を与えているな

ゴールデンウィーク、仮眠していた場所。日中に見ると、よくここで2時間ぐらい爆睡していたよなぁ・・・