SR600出雲 1回目のチャレンジ①

過去に走ったSR600も気がつくと9箇所、出雲のチャレンジは10箇所。
日本国内でもどんどんSR600のコースが増えているが、以前にも書いたが標高によっても違うし、都会から近いのか、雪国なのか、林道メインなのか・・・同じ標高と言えどまったく異なるプロフィールを持つし、難易度も獲得標高からだけでは読めない。

新しく登場した出雲のコース。

SR600出雲はどうなのか?
⊕交通量少なめ、信号少なめ、最高標高低

⊖路面粗い、ナイトラン暗い、補給地点少ない

このプラスポイントとマイナスポイントがどう作用するのか楽しみだ。


山陰
この言葉を最初に考えた人は天才だ。

 


間違いなく今のような地図がなかった頃にこの言葉は作り出されているが、山陰と呼ばれる地域の広さを考えて、まるで地図を見ながら決めたかのようだ。
そして山陰地方の中でも不思議な場所のひとつである出雲、今回のスタートゴールだが、何度考えてもなぜ出雲に出雲大社ができたのか。10月は神無月。しかしすべての神々が出雲に集結する出雲だけ神在月。神話を何かの実話を後世に伝えるべくに作られたのだとすると、この山陰という言葉と共に大きなロマンを感じる。
列車や道が整備されても京都からは大変なのに、1000年以上も前だと考えると理解ができない。神も行くのは大変だったろう・・・

今回の遠征も交通費削減のため京都から高速は500円ほどのみ。

国道9号線鳥取県の無料バイパスを駆使しながら移動。燃費が22キロを越えてくれたおかげでかかった経費は2500円ほどだったが。まぁそれは余談だが、そんな京都から370kmも離れた出雲になぜこんな立派な建物が存在したのか・・・

 

SR600出雲では、山陰と言えば必ず出てくる三瓶山や大山が登場。そしてAJ岡山さんの大好き?な北広島・浜田界隈に邑南や備後落合など、ブルべやってなかったら一生知らなさそうな地名を走り回る。
交通量が少なくて走りやすいと言えばそうかも知れないが、極端な話だが人口密度が低く、コンビニやお店がそもそも少なく(あっても24時間営業でないコンビニも)そして自動販売機すら遭遇しない区間もある。そして山陰と言えば豪雪地帯とも言える地域。アスファルトが平均して荒れている。
一気に走るにしても3日かけて走るにしても、一筋縄ではいかない地域だと感じた。

 

スタートは8時。
出雲市駅前のホテルで6時半朝食開始できれば自走で出雲大社へは間に合うから。可能である限りは朝食は必ず摂りたい。
目標は36時間台で38時間ではゴールしたい。
獲得標高と登りの標高と標高差をざっくりと見てみるとそんな感じだろうか。


スタートからまずは三瓶山を目指して南下。三瓶山はどこから登ってもきついという印象しかないが、今回のこのルートはかなりゆるい。下って南下を続けるが、険しい山深い印象だが獲得標高を見ているとそれほど登っていない。ある程度アベレージスピードを稼げるうちに稼いでおきたい。
他のルートもそうだが、補給地点はある程度絞っておかないと痛い目に遭いかねない。

時間が読める、商品が読めるという意味で、下記のコンビニは外せないというか、下記以外はないと言っていいだろう。

逆にこのポイントを時間・計画通りに進められたら、軽量化ができるはずだ。
唯一ローソン・ポプラ 日野根雨店までは120kmほど山岳コースなので、ここだけは躊躇せずに持参して走りたい。

山の陰と言われるこの地域、平均してアスファルトの路面は悪い。
基本は雪国だし、何よりも日陰となる地域が多いのも事実だ。
交通量が少ないため他地域を比べれてもバイパス化されにくい。そのため昔ながらの地形に沿った道が今でも活用されている。個人的にはウキウキするような川沿いや山の地形に沿った道路が次から次へと押し寄せる。

本格的なナイトランは飯南に入る直前から。この時期は梅雨で雨に当たると最低だが、天気に恵まれれば日は長いので基本走りやすい。ライトの使用時間が減ると荷物も減らせられる。


ペースはあまり上がらないながらにも三成のコンビニ到着。小さな集落でコンビニの役割は大きいはず。しかしそれだけに他地域からの来客が夜中や早朝にエンジンのから吹かしや喋り声、住民とコンビ二のバランスを他所からの来客である我々サイクリストが壊すこのないようにしたいものだ。店に貼られた夜の騒音(喋り、エンジン音、ドアの開け閉め)の注意書きが、店側の苦悩も感じられる。
ここから120kmほど、比婆山などの山岳コースと考えるとしっかりと食べ、そして少し補給食を買っておく。

きっと夜中に、それも1~2時台に比婆山あたりを走ったサイクリストはほぼいないのではないだろうか。コントロール写真を撮りながら久しぶりにゾクッと背中に感じるものがあった。あぁ真っ暗なので、後ろに何かいたとしても見えないが。
とくにナイトランの下りだが、ハンドル下を持つように気にしている。
段差でブレーキレバー丈夫だと衝撃で手が離れてしまうことがある。スピードを出すためと言うよりも、安全のためだ。
ハンドル下を持つと苦しいとか前が見えないとか言う人がたまにいるが、それはそもそもポジションが悪い。

夜明け前に1時間ほど仮眠。最近は枕を持参で走っている。
NEMOのフィッロエリートと言うモデルだが、軽量なので携行していても苦にならないうえに快適性が高い。

www.iwatani-primus.co.jp

 

最近寝ずにオーバーナイトで走る機会を減らしたが、タイムが落ちたかと言うとそれほどでもなく、むしろ2日目の後半以降スピードが安定しているので結果的には寝たほうが速く安全、そして安定しているとも言える。
問題は、どこで寝るのかと言うこと。
寝られそうな場所が眠たくなるような時間にあれば最高だが。
しかし最近こういうスタイルへと進んでいくと、軽量な寝袋とか虫よけとかにも興味が行ってしまう。

 

2日めは大山がメイン。標高は正直大したことはないが、本当に急勾配で好きにはなれない。なぜか同じような勾配の他の山と比べても好きではない。今回はただでさえ嫌いなのだが晴天で気温上昇おまけに向かい風。どうやっても好きになれないやつだ。と言うか嫌いだからのいやがらせか??
しかしゆっくりでも漕ぐしかない。

今回15時頃からは雨予報。どこまでドライで進めるのかがポイント。
境港から島根県に入った頃から雨。降り始めは少し早かった。枕木山ではウェットで下りはなかなかスリリング。
下り切ると日本海を見ながらのアップダウン。雨は降ったりやんだりを繰り返す。気温が中途半端に高いことでレインジャケットを着用したままだと汗をかくし、脱いで濡れるのも嫌だし、という微妙なコンディション。それでも十六島の風車までは雨量もたいしたことなく助かる。

島根半島の海岸沿いを走っていると、この地域特有の素晴らしい景色に飽きない。が北側には陸地はない、陸地の北の縁を走り続けているという行為がソワソワと、そしてドキドキとする。手つかずの森が断崖までぎっしりで見ているだけで自然の大きさに負けそうだ。

風車のある高台へ登り、残り距離10㎞を切ってゴールまではパレード走行よろしく、ここまでの行程を振り返って、AJ岡山の澤田代表と山口副代表に感謝の気持ちを持ちつつ「ホンマ神様みたいやなぁ2人は。ええ景色ありがとう」と思っていたら、なんと最後の坂がこのSR600出雲で一番強烈。
神の国で最後の最後に神を信じられなくなった瞬間だ。
「あの2人、ホンマは悪魔かいッ!!」

次回出雲大社で厄払いしたほうがよさそうだ・・・

 

今回は34時間49分でゴール。実はSR600を走った中でオフィシャルで最速だった。

信号が少なく比較的走りやすい道が占めているのがプラス要因となったということだろうか。

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ホテルからスタート地点へ
ん?なんでグラベルになった??

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スタートして最初の登り、三瓶山を目指す。


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冬季閉鎖となる来尾峠
かなりの急勾配で痺れた。

f:id:masahikomifune2:20210607181756j:plain南下していく過程でいくつもの峠を越えていく。

 

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ようやく戸河内のコンビニへ
なぜか延々と向かい風、それも爆風。

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いよいよナイトランへ
真っ暗な山陰の洗礼が待っている。

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ライトの明るさだけが頼りだ。

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明かりの周りは一体どうなっているのか・・・真っ暗でわからない。

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途中道の駅で歯磨きしてリフレッシュ

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比婆山を抜ける。

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今から三国トンネルへ
山がまるで逆さ雲のような感じになっている。

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分水嶺

 



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三国トンネルを抜けるとそこは鳥取県

 

 

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いよいよ大山を目指して走る

 

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ベタ踏み橋
見た目ほどきつい橋ではない

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山陰の海岸線は素晴らしい景色がいっぱいだ。

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最後の強烈な峠を抜けて下ると、そこは出雲大社